ムラサキウマゴヤシ（紫馬肥）

商品写真
上・下：武田薬品　京都薬用植物園　ムラサキウマゴヤシの花

ムラサキウマゴヤシ（紫馬肥）Medicago 　sativa　Linne
真正双子葉植物Eudicots＞中核真正双子葉植物Core Eudicots＞バラ類Rosids＞マメ群Fabids
　　マメ目Fabales
　　　　　マメ科 Fabaceae（Leguminosae）　ウマゴヤシ属 Medicago　　　　

別名：アルファルファ（Alfalfa）、ルーサン(Lucerne)とも

　経口抗凝固薬　ワルファリン　製薬起原植物

利用部位　：�〜漢陝´⊆鏤辧僻�芽させスプラウトとして）　　　
利用　　　：�）卅陝´⊃�用　　　　　
名前の由来：栄養価が高く、牧草として使用すると、馬の成長がよいことからウマゴヤシ。
　　　　　　紫色の花なのでムラサキウマゴヤシ。

アルファルファとも言われ、人が飼料作物として用いた最も古い植物と言われている。紀元前５世紀ペルシャ戦争の際、ペルシャ人がギリシャに侵入した道筋にはこの植物が生い茂っていたという。戦車をひくウマの飼料としてペルシャ軍が用いていた。
原産地と考えられているイランからギリシャ、ローマを経てヨーロッパへ更に中国へと分布が広げていった。
日本へは中国から江戸時代渡来したといわれているが明治初期、北海道開拓史が牧草として導入したのが栽培の始まり。初夏、紫色のマメ科特有の蝶形の花を密集させて咲かせる。

現在は牧草としての利用よりも、種子を発芽させたスプラウト(穀類、豆類、野菜の種子を発芽させ芽と茎を食用とする。モヤシと同じ)にしてサラダとして用いる需要が多い。栄養価は高く葉にはβカロテン、ビタミンＣ、Ｄ、ＥやＫその他ミネラル、カルシウム、カリウム、マグネシウム、リン、鉄、などをふくんでいる。

薬用的には、この植物は、私たちに馴染みの深い薬、「血液をサラサラにする薬」としてよく知られているワルファリン開発の基になったことでも知られている。

発端は1920年代にカナダで起こったスイートクローバー病。スイートクローバー病は家畜の飼料に使われていたスイートクローバーを食べた牛が出血をおこし、出血が止まらなくなり次々と死んでいった新しい牛の病気につけられた名。
後、この原因は「腐敗したスイートクローバーを食べたことによるもの」だということが判り、腐敗したスイートクローバーからジクマロールという物質が精製・単離され、この物質がスイートクローバー病の原因であることが突き止められた。
スイートクローバー、文字どうり甘い香りのするクローバということでこの甘い香りは、クマリンという芳香物質によるもの。（クマリンは桜餅のにおいでも知られている）
スイートクローバーが腐敗していくとき(発酵していくとき）微生物によってこのクマリンはジクマロールというクマリン二量体に変化する。このジクマロールがビタミンK(血液凝固因子）の働きを抑えて、血液をサラサラにし固まらせなくしている。
同じマメ科のムラサキウマゴヤシも発酵（腐敗）の過程で ジクマロールが出来る。新鮮な植物からは得られない。こうしたことが「シード」となり、ジクマロールから抗凝固薬　ワーファリンが創製された。

ーアルファルファー
種子を発芽させたモヤシはアルファルファの名で市販もされている。発芽させることで、ビタミンCが増えてくる。ビタミンＢ群、カロテンをはじめカルシウム、マグネシウム、カリウム、鉄、リンを豊富に含み、食物繊維も含むことから、便秘改善も期待できる。生食もできるので、サラダなどにして食べると良い健康食品となる。

成分
サポニン、フラボノイド、クマリン、アルカロイド、アミノ酸、フィトステロール、ビタミン類
　　　　　　　など

参考文献
　　・朝日百科　世界の植物　（朝日新聞社）
　　・製薬会社インタビューフォーム


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