ハギ(萩)

商品写真
上・中・下:奈良新薬師寺のミヤギノハギ 
     枝が湾曲して枝垂れしてる。

ハギ(萩) Lespedeza
真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>バラ類Rosids>マメ群Fabids
  マメ目Fabales
     マメ科Fabaceae (Leguminosae )ハギ属 Lespedeza

  秋の七草のひとつ

利用部分 :①全草 ②材
利用   :①飼料 ②建築用材、垣根
名前の由来:ハエキ(生芽)で毎年古い株から芽を出すことからとも、他に諸説多数。

ハギはマメ科ハギ属の総称。落葉低木。
東アジアの温暖帯と北アメリカに約60種類が分布し、日本では10数種が野生し秋の七草のひとつの数えられる。
花期は7~10月。秋を代表する花として草かんむりに秋とかく。日本製の国字で木へんに春と書く椿と同じ。
ハギの種類は多いが普通ハギというとヤマハギ、ミヤギノハギ、ニシキハギ、ツクシハギ、マルバハギなどが含まれる。
万葉の頃から親しまれてきたハギは万葉集に137首も登場し万葉集中第1位の頻度で詠まれている。万葉集でハギと称しているのは山中に自生するヤマハギのこと。

ヨーロッパではバラが、中国ではボタンが好まれたのとは対照的に日本では、ハギの花のような、小さく派手でないものに美意識を感じる。日本人の繊細な感性を示す1例といえよう。着物や工芸品、調度品の文様に、絵画にもハギを主題にした物は多い。

ハギは痩せた荒地でも育つパイオニア的植物で、家畜の飼料として古くから利用されてきた。山に野生しているハギを秋、刈り取り乾燥させ、冬期の家畜のタンパク源飼料として利用しているが、他のマメ科の牧草と比べると収量は良くない。
ハギの茎は繊細で、太さも揃っていることから、茶室の天井をハギの茎で張った侘びた風情あるハギ天井は茶人に殊の外好まれている。


 ー”秋の七草”  万葉集 山上憶良の歌ー

   「秋の野に 咲きたる花を指折り(およびをり)かき数ふれば七種(ななくさ)の花
    萩の花 尾花 葛花 撫子の花 女郎花 また藤袴 朝貌(あさがお)の花」

   
参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・日本の樹木(山と渓谷社)
  ・万葉の植物  松田 修著 (保育社)
  ・花と樹の事典 木村陽二郎 柏書房

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