コマツナギ（駒繋）

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上・：白馬小谷村栂池高原駅前広場に自生するコマツナギ
中･下：大阪市立長居植物園

コマツナギ（駒繋） Indigofera pseudotinctoria Matsum　
真正双子葉植物Eudicots＞中核真正双子葉植物Core Eudicots＞バラ類Rosids＞マメ群Fabids
　　マメ目 Fabales
　　　　　マメ科 Fabacea（Leguminosae）コマツナギ属Indigofera

利用部分　：地上部全草
利用　　　：飼料
名前の由来：茎は細いが丈夫なので、馬（駒）を繋ぐのに良いからとも、マメ科で家畜が好む飼料
　　　　　　であり、馬にとって美味しく生えている所を離れたがらないからとも言われている。

コマツナギ属Indigoferaは世界では熱帯から亜熱帯に多く、約５００種ほどが知られている。日本ではコマツナギが最も良く見られ、野原や道端、田んぼの土手など日当たりの良い場所に生えている。誰しもが見かけた経験はあるほど一般的な多年生の落葉小低木。
高さ０.５～１ｍぐらい。根元から多くの枝を出す。葉は長さ０.８～２ｃｍ、長楕円形の小葉４～５対からなる奇数羽状複葉。初夏から夏、フジの花房を小形にして、立てたような愛らしい花を咲かせる。花は淡紅色の５ｍｍほどの蝶形の花で、下から上に順に咲きあがっていく。花の咲いている期間は比較的長く、夏の間中咲き続ける。花の後、豆果が実り中に種子が入っている。

馬などの飼料以外に特に薬用的な利用は無い。しかし属名のIndigoferaインジゴフェラは藍色染料インジゴを有するという意味。インジゴを採るため栽培される植物がこの仲間に属している。

昔から藍は染料として重要で、日本ではタデ科の”タデアイ”が用いられてきたが、諸外国ではいろいろの植物がその土地土地で利用されてきた。
同じコマツナギ属でコマツナギに似た”タイワンコマツナギ”　Indigofera tinctoria　Linneはナンバンアイの別名がありキアイともいう。また”ナンバンコマツナギ”はインドアイといい大正の初め日本に渡来し南西諸島で栽培された。こうした藍染に用いられる重要な植物が２種類もコマツナギ属に属している。

日本のコマツナギはこれらの２種類と良く似ているが藍は採れない。
為に、「pseudotinctoria　偽の藍色染料　藍色染料を有しない」というありがたくない学名を付けられているが、ミヤマシジミ蝶にとっては重要な食草ともなり、花も可愛いいので採り上げた。

参考文献
　　・朝日百科　世界の植物　（朝日新聞社）
　　・野草の名前　夏　高橋勝雄　解説（山と渓谷社）
　　・日本の樹木（山と渓谷社）
　　・花と樹の事典　木村陽二郎　柏書房
　　・日本の野生植物　草本Ⅰ　（平凡社）

コマツナギ（駒繋）

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