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タイワンコマツナギ(台湾駒繋）

商品写真
上・中：武田薬品　京都薬用薬用植物園　
下：日本新薬　山科植物資料館　タイワンコマツナギの花

タイワンコマツナギ(台湾駒繋）Indigofera tinctoria　Linne
真正双子葉植物Eudicots＞中核真正双子葉植物Core Eudicots＞バラ類Rosids＞マメ群Fabids
　　マメ目 Fabales
　　　マメ科 Fabacea（Leguminosae）コマツナギ属Indigofera

藍青、泥藍の製造原料

利用部位　：全草
利用　　　：藍染用
名前の由来 ：属名のIndigoferaインジゴフェラは藍色染料インジゴを有するという意味。
　　　　　　種小名の tinctoria は「染色用の」の意味。

インドから東南アジアが原産。藍（インジゴ)の原料として、世界中の熱帯、亜熱帯で栽培される。
エジプトでは紀元前２０００年前から栽培が行われ、インジゴを採取していた。最も古い歴史ある植物。やがてヨーロッパや中国に伝わり、日本でも明治中期ごろから南西諸島で栽培され、藍染が行われた。しかし人工藍ができてからは衰退していった。
同じコマツナギ属で、日本各地のいたる所に自生するコマツナギの花、葉にそっくり。似ている。
但し、コマツナギ属に属していても、インジゴを生み出すのはその中の一部で、タイワンコマツナギはインジゴを含んでいるので、藍の染料が沈殿法で作られる。

藍の色素をインジゴ（indigo）というがこのインジゴは元々「インドから来たもの」という意味で、インドから欧州にもたらされた藍の染料としての天然藍のことをいう。現在では天然藍の「インド藍」のことと、そこに含まれる色素の物質名の両方の意味をかねている。

インジゴを生み出す植物（藍植物）には種々あるが、主なものに４ 種類が知られている。興味深いことにそれぞれが異なった”科”の分類に属する点だ。日本ではタデ科のタデアイ（蓼藍）Polygonum tinctorium L.のすくも法で作られる藍玉が一般的。インドや中米などではマメ科コマツナギ属のタイワンコマツナギ　の”キアイ”Indigofera tinctoria Lやナンバンコマツナギの　”インド藍”Indigofera suffruticosa Millなどから沈殿法で泥藍を作る。その他ヨーロッパではアブラナ科のウォード（日本名はタイセイ、ホソバタイセイ大青、英名woad 仏名pastel）Isatis tinctoria L.のすくも法と、沖縄や東南アジアで用いられているキツネノマゴ科のリュウキュウアイ（琉球藍）Strobilanthes cusiaの　沈殿法の４種類で、造り方もそれぞれの土地の風土に適した方法で製法が行われていることも興味深い。


ー沈殿法とはー
収穫した植物を大きな水槽に浸し腐敗させると、葉の内部に含まれるインジカンが溶け出し分解しインドキシルに変化する。水槽を攪拌し酸素を送り込み、インドキシルを酸化させると、インジゴが生成する。此れを沈殿させ、底に溜まった泥藍を乾燥させて作る方法が沈殿法だ。熱帯や亜熱帯の強い太陽を受ける地域に適した方法といえる。

参考文献
　　・朝日百科　世界の植物　（朝日新聞社）
　　・薬用植物学各論　木村康一・木島正夫共著　（広川書店）
　　・野草の名前　夏　高橋勝雄　解説（山と渓谷社）
　　・日本の野生植物　草本�機　癖針渕辧�

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