アメリカホドイモ

商品写真
上・下：大阪薬科大学　薬用植物園　内側が赤褐色の蝶形の花が集まって咲くアメリカホドイモの花

アメリカホドイモApios americana　Medik
真正双子葉植物Eudicots＞中核真正双子葉植物Core Eudicots＞バラ類Rosids＞マメ群Fabids
　　マメ目 Fabales
　　　　　マメ科 Fabacea（Leguminosae）　ホドイモ属 Apios

利用部分　：塊茎
利用　　　：食用
名前の由来：地下に肥大した芋に似た塊茎をもつ、大きい塊を塊「ほど」ということからの名。
　　　　　　和名ホドイモになると、”イモ”が２つ重なった事になる
　　　　　　アメリカホドイモは北アメリカ原産から。
　　　　　　属名Apiosはギリシャ語で「梨」の意味。根の塊の形が、洋梨状であることから。

ホドイモ属 Apios は東アジアと北アメリカに１０種程が知られていて、日本には１種ホドイモが自生する。
アメリカホドイモは北アメリカの大西洋側が原産で球形の塊根があり食用になる。
つる性の多年草で茎はイモの塊根の端や、地下茎の途中から地上に出てきて他のものに絡み付いて長く伸び成長する。２ｍ以上に達する。
葉は奇数羽状複葉で小葉は５〜９枚。卵形または長卵形。先は細く尖っている。夏、葉腋から総状花序を出し小さい蝶形花弁の内側が赤褐色の花をつける。（クズの花の様子に似ている。）
花はスミレに似た良い香りがするので、鑑賞用に植栽される。　花の後、マメ科特有の莢が実るが、日本産のホドイモの莢の倍ぐらいの長さになる。

マメ科植物といえば、エンドウマメ、ソラマメ、アズキ、ダイズなど莢や豆を食べるものを思い浮かべるが、ホドイモはマメ科植物だが、地下に小さなサツマイモに似た芋が連なってできる。この芋を食用にする。多くのマメ科の植物とは異なった部分に栄養分（主にデンプン）が蓄えられる特性がありポテトビーンとの異名がある。
芋はデンプンを含み甘味がある。煮たり焼いたりして食べる。アメリカ先住民の人たちはこれを昔から栄養価の高いスタミナ食にしていた。
実際にアメリカホドイモの塊茎はデンプンのみならず乳液、鉄分、カルシウムの豊富に含むことから将来性が期待できる。

日本へは明治期に渡来、日本在来のホドイモよりイモが大きく収穫率も良いため主に青森県で食用に栽培している。

ー近縁種ー
ホドイモ Apios fortunei Maxim

北海道から九州まで、日本各地の山野に自生するツル性の多年草。台湾から中国にも分布する。地中の塊根は黄褐色で内部は白い。焼いたり煮たりして食べる。
縄文時代の遺跡から炭化したものが出土しているので、古代から食用とされてきたことが分る。

秋田県の方言でツチクリとも言われ、土中に生ずるクリという意味。各地に食べられるイモという意味の方言あり、ホドがなまり、フドになっている地域もありフード（食料）にも似通い面白い。
中国では地栗子といい塊茎を風邪の咳、百日咳、咽喉の痛みなどの時に用いる。

参考文献
　　・朝日百科　世界の植物（朝日新聞社）
　　・食材図典（小学館）
　　・日本の野生植物　草本�供癖針渕辧法�
　　・野草図鑑　夏（北隆館）

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