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ガレガソウ

商品写真
上・中・下:日本新薬 山科植物資料館 白花のガレガソウ

ガレガソウ Galega Officinalis Linne
真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>バラ類Rosids>マメ群Fabids
  マメ目 Fabales
     マメ科 Fabaceae (Leguminosae )ガレガ属 Galega
 
 別名:ヤクヨウガレーガ
 英名:ゴーツルー(goat's rue)、フレンチライラック 


糖尿病治療薬ビグアナイド系薬剤の開発の基になった植物

利用部位 :花や葉など全草(開花期)
利用   :薬用、入浴剤
名前の由来:属名のガレガはギリシャ語の「gala(乳)+agoag(促進する)」。
      人や家畜の乳量が増える催乳作用からの名。種小名の officinalis は「薬用の」という
      意味。

ヨーロッパ南部、アジア西部、アルジェリアなどに分布するマメ科の草本。湿地や低地を好む。
春に種をまくと夏には草丈が1mにもなり初夏、白やピンク、藤色など多彩な花が咲く。藤の花房を上に向けたような花は下から上へ咲きあがる。

飼料用に牛に食べさせると、牛の乳の出方がよくなることから、飼料用に広く栽培されてきた。
一方、人に対しても催乳、利尿、発汗作用があり、昔から母乳の出を良くするハーブとして使われてきた。母乳の量を増やすだけでなく、母乳の質もよくする催乳薬として用いられてきた薬草だ。

中世のヨーロッパでは、湿地や低地に生えるガレガソウに多尿や口渇などの糖尿病症状を緩和する作用があることがすでに知られていた。1918年にガレガソウから”グアニジン”という物質が抽出され、血糖降下作用があることが報告された。
しかしグアニジンそのままでは弊害があり薬として使えなかった。その後、紆余曲折を経て、1950年代後半にグアニジン誘導体の経口糖尿病治療薬ビグアナイド系薬剤が開発された。
ガレガソウは糖尿病治療薬として1分野を占めるビグアナイド系剤の、開発の基になった植物としても知られている。


また、ガレガソウの生葉の汁に牛乳を凝固させる作用があるので、現在、チーズ作りにも用いられる。乳の出を良くする催乳作用、牛乳を固まらせるなど、ガレガソウは実に多方面のユニークな働きを持つ薬草だと思う。

参考資料
 ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
 ・ハーブ  亀田龍吉著 (山と渓谷社)
 ・製薬会社インタビューフォーム
 ・ハーブ大全 リチャード メルビー著 難波恒雄日本語版監修 (小学館)

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