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コルクガシ(コルク樫)

商品写真
上:日本新薬 山科植物資料館
中:凹凸の樹皮
下:樹皮から採取したワインの栓とドングリ

コルクガシ(コルク樫)Quercus suber Linne 
真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>バラ類Rosids>マメ群Fabids
  ブナ目 Fagales
     ブナ科 Fagaceae コナラ属 Quercus

  コルクの原料樹木 細胞の発見

使用部分
:樹皮(コルク層)
使用  :コルク栓、建築用材など

スペイン、ポルトガル、アルゼリアなど南ヨーロッパに自生するブナ科の常緑高木。コルクを輸出するため、栽培されている。高さ20mに達する巨木になる。樹木の生長と共にコルク形成層の働きで樹皮が厚くなる。
年々コルク層は肥大し厚さ25cmにも達するほどになる。この樹皮を剥いでいろいろの加工品が作られる。一番最初に思い浮かぶのが、ワインのコルク栓だが、他にも野球のボールの芯、バトミントンのシャトルなどにもコルクが使用されている。コルク層は軟らかく弾力性、断熱性、吸音性に優れていることから建築用材など多方面にコルクが使われる。

コルク層を剥ぎ取っても、徐々に再生し10年ほどたつとまた元通りになり、また樹皮を剥ぎ取ることができるようになる。樹齢は200年ほどなので、何度も樹皮を採取できる。弾性にとみ厚く空隙のないのが良品とされる。
日本で自生するアベマキからもコルク層が採取される。


1665年コルクの薄い切片を顕微鏡で観察したロバート・フック(Robert Hooke 1635〜1703イギリスの物理・数学・生物学者)はハチの巣のように無数の区切られた部屋が並んでいる様子を発見し、これにセル(Cell)細胞という名をつけた。
全ての生物の基本になる最小単位、細胞がコルクで最初に発見された記念すべき出来事だ。

主な成分
 少量のセルロース、リグニン、脂肪、タンニン、の他、主としてスベリンをふくむ。

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・最新生薬学 刈米達夫著  (広川書店)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・チャート式 理科1 数研出版

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