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ヤブニッケイ(藪肉桂)

商品写真
上:大阪市立長居植物園 花弁は6枚、雄しべは12本。
下:大阪市立長居植物園 ヤブニッケイの実

ヤブニッケイ(藪肉桂)Cinnamomum japonicum Sieb.Ex Nakai 
 被子植物 Angiosperms
  被子植物基底群 Basal Angiosperms > モクレン類 Magnoliids
   クスノキ目 Laurales
     クスノキ科 Lauraceae ニッケイ属 Cinnamomum

生薬名  :ニッケイ(肉桂)
利用部分 :葉、樹皮、種子
利用   :油脂、精油
名前の由来:ニッケイより香りが劣るため藪の名がつく。

関東以南の暖地、小笠原諸島、琉球列島、台湾などに自生する常緑高木。
葉は長楕円形あるいは卵形、革質で表面は光沢がある。縁は全縁で、波状になる場合もある。
葉脈は、ニッケイの特徴の3主脈が目立つが、ニッケイが3本の葉脈が葉先端まで届くのに対し,、ヤブニッケイは途中迄で消えるので見分けられる。
クスノキの仲間の特徴で、葉は揉むと芳香がある。6〜7月頃、本年枝の葉腋から、長柄のある散形花序を出す。1つの花序に淡黄色の小さな花をまばらに咲かせる。両性花で花被は6枚、雄しべは12本。雌しべの柱頭は肥大する。花の後、実がなり11〜12月にかけて黒く熟す。これもクスノキの仲間の特徴を表している。

種子には多量の脂肪油を含んでいる。脂肪油を搾ったものはニッケイシ(肉桂油)、ヤブニッケイ脂(藪肉桂)といい、かつてはカカオ脂の代用に、坐薬基礎剤、製果原料に使用された。しかし現在では使用されていない。

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・最新生薬学 刈米達夫著  (広川書店)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・山渓カラー名鑑 日本の樹木 (山と渓谷社)


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