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ケイ(桂)/トンキンニッケイ
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ケイ(桂)
Cinnamomum cassia
Blume
被子植物
Angiosperms
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Basal Angiosperms
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Magnoliids
クスノキ目
Laurales
クスノキ科
Lauraceae
ニッケイ属
Cinnamomum
別名:トンキンニッケイ シナニッケイ
生薬名
:
ケイシ(桂枝)ケイヒ(桂皮)
利用部位
:樹皮
利用
:日本薬局方生薬、医薬品原料、食品(スパイス)、ケイヒ末、ケイヒ油原料
名前の由来
:ケイの樹皮または枝の樹皮
中国南部広東、広西、ベトナム北部に自生・栽培される常緑の高木。香料植物の中で、有史以来、最古の香辛料・スパイスと言われているケイヒの起源植物Cinnamomum cassia Blumeは別名トンキンニッケイ、シナニッケイとも言われ,単にケイ(桂)といわれる。何故、漢字の桂が使われるのか、紛らわしいがカツラ科の落葉高木、カツラ(桂)とは全く関係がない。中国の桂林の桂はモクセイのことだというが、
桂の文字は3本に分かれた葉脈の形をあらわした象形文字
ということで、カツラでもモクセイでもなく、クスノキ科のケイが該当する。元々、桂は常緑の香木の総称であったため、多くの植物を表す状況になっている。因みにゲッケイシュも月桂樹と書かれる。
C.cassia Blumeの互生する光沢のある葉は硬く、長い楕円形の葉には3本の主脈が鮮明に見える。夏、葉腋から花序を出し、多くの小さな白っぽい黄緑色の花を咲かせる。夏〜秋にかけて赤褐色の樹皮を剥ぎ取る。日陰で乾燥させると端が巻き込んだ棒状の幹皮ができる。生薬名、ケイヒ(桂皮)になる。
因みに属名Cinnamomumとは「巻曲された最上の香料」という意味。砂糖と良く合い、カプチーノ、アップルパイの香りづけでお馴染みの香料。桂皮の類は古代から東西交易の商品として扱われた。今日ではインド南部、ジャワ島、ベトナムその他で栽培される。桂皮は古くから中国では「薬物の王」として扱われ、神農本草経には上品としてキンケイ(箘桂)、ボケイ(牡桂)の名で収載されている。日本へは8世紀頃渡来、奈良正倉院種々薬帳にも桂心の名で扱われている。
桂皮は芳香性健胃薬、風邪薬、収斂薬として用いられるほか、香辛料としての需要が非常に大きく、料理やいろいろの加工食品の風味づけに使われている。
葉や小枝、樹皮を水蒸気蒸留すると精油ケイヒ油が得られる。芳香剤として、製剤用に、製菓用に利用される。京都の銘菓、八つ橋が例として挙げられる。
成分
・フェニルプロパノイド系のケイヒ油:シナモムアルデヒド、シナモム酸
・ジテルペノイデ:シンゼイラニン、シンゼイラノール
・タンニン:エピカテキン、シンナムタンニン
用途
・漢方処方用薬として
風邪薬、鎮痛鎮痙薬、解熱鎮痛消炎薬、保健強壮薬、婦人薬とみなされる処方、その他に
高頻度で配合される。
・芳香性健胃薬として
食欲不振、消化不良に粉末にしたケイヒ末を配合剤として用いる。
・葉、小枝、樹皮等を水蒸気蒸留してケイヒ油を製造し香料に使う。
漢方処方例
・安中散 (あんちゅうさん)
・胃風湯 (いふうとう)
・黄連湯 (おうれんとう)
・茵蔯五苓散(いんちんごれいさん)
・葛根湯 (かっこんとう)
・桂枝湯 (けいしとう)
・桂枝人参湯(けいしにんじんとう) など他 多数
参考文献
・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
・第15改正 日本薬局方解説書 (広川書店)
・最新生薬学 刈米達夫著 (広川書店)
・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
・生薬単 原島広至著 (株式会社エヌ・ティ・エス)
・ヤマケイポケットガイド ハーブ 亀田竜吉(山と渓谷社)
・漢方 生薬学 木村孟淳 (不知火書房)
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クスノキ科 Lauraceae ニッケイ属 Cinnamomum
別名:トンキンニッケイ シナニッケイ
生薬名 :ケイシ(桂枝)ケイヒ(桂皮)
利用部位 :樹皮
利用 :日本薬局方生薬、医薬品原料、食品(スパイス)、ケイヒ末、ケイヒ油原料
名前の由来:ケイの樹皮または枝の樹皮
中国南部広東、広西、ベトナム北部に自生・栽培される常緑の高木。香料植物の中で、有史以来、最古の香辛料・スパイスと言われているケイヒの起源植物Cinnamomum cassia Blumeは別名トンキンニッケイ、シナニッケイとも言われ,単にケイ(桂)といわれる。何故、漢字の桂が使われるのか、紛らわしいがカツラ科の落葉高木、カツラ(桂)とは全く関係がない。中国の桂林の桂はモクセイのことだというが、桂の文字は3本に分かれた葉脈の形をあらわした象形文字ということで、カツラでもモクセイでもなく、クスノキ科のケイが該当する。元々、桂は常緑の香木の総称であったため、多くの植物を表す状況になっている。因みにゲッケイシュも月桂樹と書かれる。
C.cassia Blumeの互生する光沢のある葉は硬く、長い楕円形の葉には3本の主脈が鮮明に見える。夏、葉腋から花序を出し、多くの小さな白っぽい黄緑色の花を咲かせる。夏〜秋にかけて赤褐色の樹皮を剥ぎ取る。日陰で乾燥させると端が巻き込んだ棒状の幹皮ができる。生薬名、ケイヒ(桂皮)になる。
因みに属名Cinnamomumとは「巻曲された最上の香料」という意味。砂糖と良く合い、カプチーノ、アップルパイの香りづけでお馴染みの香料。桂皮の類は古代から東西交易の商品として扱われた。今日ではインド南部、ジャワ島、ベトナムその他で栽培される。桂皮は古くから中国では「薬物の王」として扱われ、神農本草経には上品としてキンケイ(箘桂)、ボケイ(牡桂)の名で収載されている。日本へは8世紀頃渡来、奈良正倉院種々薬帳にも桂心の名で扱われている。
桂皮は芳香性健胃薬、風邪薬、収斂薬として用いられるほか、香辛料としての需要が非常に大きく、料理やいろいろの加工食品の風味づけに使われている。
葉や小枝、樹皮を水蒸気蒸留すると精油ケイヒ油が得られる。芳香剤として、製剤用に、製菓用に利用される。京都の銘菓、八つ橋が例として挙げられる。
成分
・フェニルプロパノイド系のケイヒ油:シナモムアルデヒド、シナモム酸
・ジテルペノイデ:シンゼイラニン、シンゼイラノール
・タンニン:エピカテキン、シンナムタンニン
用途
・漢方処方用薬として
風邪薬、鎮痛鎮痙薬、解熱鎮痛消炎薬、保健強壮薬、婦人薬とみなされる処方、その他に
高頻度で配合される。
・芳香性健胃薬として
食欲不振、消化不良に粉末にしたケイヒ末を配合剤として用いる。
・葉、小枝、樹皮等を水蒸気蒸留してケイヒ油を製造し香料に使う。
漢方処方例
・安中散 (あんちゅうさん)
・胃風湯 (いふうとう)
・黄連湯 (おうれんとう)
・茵蔯五苓散(いんちんごれいさん)
・葛根湯 (かっこんとう)
・桂枝湯 (けいしとう)
・桂枝人参湯(けいしにんじんとう) など他 多数
参考文献
・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
・第15改正 日本薬局方解説書 (広川書店)
・最新生薬学 刈米達夫著 (広川書店)
・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
・生薬単 原島広至著 (株式会社エヌ・ティ・エス)
・ヤマケイポケットガイド ハーブ 亀田竜吉(山と渓谷社)
・漢方 生薬学 木村孟淳 (不知火書房)