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ゲッケイジュ(月桂樹)

商品写真
上・中:花博記念公園ゲッケイジュの雄花 
下:日本新薬山科植物資料館 蕾の総苞片と果実

ゲッケイジュ(月桂樹)Laurus nobilis Linne
被子植物 Angiosperms
  被子植物基底群 Basal Angiosperms > モクレン類 Magnoliids
   クスノキ目 Laurales
     クスノキ科 Lauraceae ゲッケイジュ属 Laurus

  仏名:ローレル
  英名:ベイリーフ


利用部分 :果実、 葉
利用   :スパイス、薬用
名前の由来:漢名の月桂樹をそのまま音読みにした名

高さ10mを超す常緑小高木。良い香りがすることからヨーロッパでは香料として、昔から愛用されてきた。今では世界中に分布し香料に、又料理のスパイスにと、広くローレルの名で用いられている。日本へは1905年ごろ渡来し各地で植えられている。
もともとは地中海地方が原産で古代から栽培され、古代ギリシャやローマでは、競技の勝者にゲッケイジュで作った冠をかぶせ、栄誉をたたえる習慣があり、現代でもマラソンの勝者に月桂冠を贈り勝者の栄誉をたたえる。

古代にゲッケイジュが尊ばれたのは、光沢のある葉が常緑で、不朽を意味すると共に強い香気に霊力を認めたからだろう。

雌雄異株だが外見だけでは雄株雌株の木の区別はしがたい。花が咲くと、雌雄の区別が出来る。
花芽は柄があり初め蕾時は総苞片に包まれ球形をしている。開花が近くなると、総苞片が割れて中の花蕾が現れる。中に6個程の花蕾が入っている。4月中頃、淡い黄白色の花が密集して咲く。花弁は4枚、雄花には12本の雄ずいが3列に輪状に並び内側の列には腺体がある.雌花は4本の仮雄ずいと1本の雌しべがある。薬用には葉も実も用いる。雌株でないと実はならないが、日本は雄株の方が多い。しかしゲッケイジュの需要は葉が大部分なので、あまり問題はない。

乾燥した葉は肉料理、魚料理のくさみをとり良い香りをつけるので香辛料として、カレー、スープ、シチューなどの香り付け、ソースの原料として利用される。乾燥品はローレル、ベイリーフの名で販売されている。
少し苦みのある果実はゲッケイジツ(月桂実)と称し、芳香性苦味健胃薬になる他、リウマチにも用いる。新しい葉はもんでリウマチや神経痛など、痛みのある所に貼り付けると痛みが和らぐ。


成分
   月桂油 1〜3%をふくみ、主成分はシネオール、オイゲノール、ゲラニオール

効用と利用法
  ・月桂葉  :リウマチ、神経痛などに
  ・月桂葉末 :芳香性苦味健胃薬として
  ・月桂実   :芳香性苦味健胃薬、発汗薬として

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・最新生薬学 刈米達夫著 (広川書店)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・山渓カラー名鑑 日本の樹木 (山と渓谷社)

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