クロモジ(黒文字)

商品写真
上:鳥取大山登山道 中:平池 クロモジの実
下・下:神鍋山 コナラ、クヌギ林でのクロモジの紅葉

クロモジ(黒文字)Lindera umbellate Thunb
  被子植物 Angiosperms
   被子植物基底群 Basal Angiosperms > モクレン類 Magnoliids
    クスノキ目 Laurales
     クスノキ科 Lauraceae クロモジ属 Lindera

 つま楊子”黒文字”の原料 クロモジ油採取原料

生薬名  :クロモジ(黒文字)
利用部位 :①樹皮がつた材 ②根皮 、果実
利用   :①つまようじ(楊子) ②芳香料、クロモジ油
名前の由来:樹皮にでる黒いまだらの斑点を文字に見立てたことから。

本邦中部以南の各地の山地の雑木に混じり、やや日陰に自生する落葉性の潅木。秋には黄色く紅葉する。枝葉にも材にも精油(クロモジ油)シネロール、ゲラニオールなどを含み良い香りがするので、材を削って”ようじ”を作る。
根元の部分は黒い樹皮を残して削り季節の和菓子に添える。つまようじの事を特に黒文字といい、香りを楽しむ風雅な日本の伝統である。
春先、小さな淡黄色い花が固まって咲く。雌雄異株なので、花が終わると雌株には小さな球形の実がつき10月頃成熟し黒い実になる。こうした点はテンダイウヤク、ゲッケイジュ、など他のクスノキ科の仲間と共通している。

からは油がしぼられ、昔は灯油に使われたそうな。4~10月、小枝は葉が付いたまま、太い枝はけずり水蒸気蒸留する。クロモジ油が得られる。
クロモジ油は香水、石鹸の香料に用いる。また根皮は皮膚病浴湯料にもすることが出来る。


成分
  ・テルペン類:αフェランドレン
  ・アルコール類:リナロール、ゲラニオール、テルピネオール、ネロリドール
  ・エステル
  ・シネオール
  ・アルデヒド及びケトン類を含む

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・最新生薬学 刈米達夫著  (広川書店)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・山渓カラー名鑑 日本の樹木 (山と渓谷社)

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