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ハンゲショウ(半夏生)

商品写真
上:洛北 曼殊院天満宮 弁天池
中:京都府立植物園 長く垂れた花穂

ハンゲショウ(半夏生)Saururus chinensis Baill 
 被子植物 Angiosperms
  被子植物基底群 Basal Angiosperms > モクレン類 Magnoliids
    コショウ目 Piperales
      ドクダミ科 Saururaceae ハンゲショウ属 Saururus

生薬名  :サンパクソウ(三白草)
利用部分 :地上部(主に葉)
利用   :民間薬 
名前の由来: 夏至から数えて11日目の7月2日頃から七夕(7月7日)頃までの5日間を半夏生
      という。この頃花が咲くのでとも、また葉の半分ほどが白くなり、半分化粧した
      ような状態から「半化粧」に、それが変化し半夏生になったのでは、と言う説。


本邦各地の水辺に自生する多年草。草丈は60〜100cm。花期は6〜8月にかけて。ハンゲショウ(半夏生)の名の由来ともなっている。
漢方薬に使われるよく似た名前のハンゲ(半夏)はサトイモ科。ハンゲショウ(半夏生)はドクダミ科なので全く異なる植物。上部の葉の脇より長さ10〜15cmの長い花穂を出し多数の花を付ける。花弁はなく6〜7本の雄しべ、花柱の先端が4裂した雌しべが多数、長いひも状の花穂につく。ドクダミの黄色い穂状花序は短いが、ハンゲショウは長い。ドクダミ科のSaururaceaeの語源はトカゲの尻尾を表す語で、ハンゲショウ属 の長い花序の様子がトカゲの尻尾に似ているから。

花の咲く頃、上部の葉の下半分が白くなるが、花の終わる頃には普通の緑色に変わる。
花期に葉が白くなるのは、花が地味なため、虫を誘うよう白くし、目立つようにしているのではないかと言われている。全く植物は異なるが「マタタビ」も初夏、葉を白く変化させる。梅雨の頃から初夏にかけて白い葉をしたマタタビをあちらこちらの山野でみかける。
これも虫を誘う巧妙な植物の戦略といえよう。
ハンゲショウの地上部を乾燥したものをサンパクソウ(三白草)といい、中国では民間薬として主に水腫、脚気などの利尿薬に利用してきた。成分は未詳。

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・第15改正 日本薬局方解説書 (広川書店)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・生薬単 原島広至著 (株式会社エヌ・ティ・エス)
  ・山渓名前図鑑 野草の名前 夏 高橋勝雄著 (山と渓谷社)
  ・山野草ハンドブック 伊沢一男(主婦の友社)

(コメント)
虫を誘うため白く化粧をするとは、巧みな戦略だ。なぜ葉の半分しか化粧しないのかはだが、わからないが。

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