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コショウ(胡椒)

商品写真
上・中:青島亜熱帯植物園 赤く色づいた実
下:宇治植物公園温室 青い実のコショウ

コショウ(胡椒)Piper nigrum Linne 
 被子植物 Angiosperms
  被子植物基底群 Basal Angiosperms > モクレン類 Magnoliids
   コショウ目 Piperales
     コショウ科 Piperaceae コショウ属 Piper

 世界の香辛料 ペッパー

利用部位 :果実
利用   :香辛料、ソース製造原料、薬用
名前の由来:中国語の胡椒に由来。胡は、ペルシャやトルキスタンを経由してきたものの意味。

数多い香辛料のなかでも世界中に広く普及している代表的な香辛料がコショウ。日本でも「塩・こしょう」といわれるように、ほとんどの家庭に普及している。香辛料としての歴史は古く、すでにギリシャ時代にはコショウが知られていた。原産地はインドのアッサムやビルマ(現在のミャンマー)の丘陵地帯と言われている。
現在はインド、インドネシア、マレーシア、ブラジル、マダカスカルなどで生産されている。
大航海時代にはコショウなどの香辛料を求めてインドへの航海が頻繁におこなわれ、香辛料が貿易の主商品となっていた。

コショウはつる性の低木で雌雄異株。同一株から2つの異なった型の枝が伸びる。中軸の枝は直上し葉は対性。節間は5〜12cm。節から側芽および気根を出して他のものに絡みつく。側芽から長さ15cm内外の花穂がのび実を結ぶ。果実は球形で緑、熟すと黄から赤になる。穂の一部に赤く熟した果実が現れた頃、コショウの収穫が始まる。

香と辛味がつよい。辛味の主成分はチャビシン、ピペリン。精油成分フェランドレン。実は成熟度(緑、赤、黒)によって成分や利用目的が異なり、グリーンペパー、黒コショウ、白コショウに分けられる。グリーンペパーは緑色の果実を摘み取り、缶詰や瓶詰にして利用する。
黒く熟す直前の果実を房ごと収穫し、これを熱湯に浸けてから天日干しすると黒コショウ。果実をあらく砕き水につけて半発酵させた後、果皮を取り除き種子だけを集めたものが白コショウ。

同一のコショウから収穫のタイミングや製法の違いにより、任意に黒コショウでも白コショウでも作り出せる。辛味成分は果皮に多く含まれるので、黒コショウの方が辛味は強い。

成分
  ・辛味成分6〜13% :チャビシン、ピペリン(これらの成分の4分の3は果皮に含有
  ・精油1〜2%内外
利用
 薬用としては食欲増進の辛味性健胃薬として今日では家庭薬の散剤にのみ用いる。
 主に料理用香辛料として、特にソース製造、ソーセージの製造には不可欠とされている。

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・最新生薬学 刈米達夫著  (広川書店)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)

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