オグラコウホネ(巨椋河骨)

商品写真
上・中・下:日本新薬 山科植物資料館 
水面に浮かぶ浮き葉が特徴。

オグラコウホネ(巨椋河骨)Nuphar oguraens Miki
 被子植物 Angiosperms
  被子植物基底群 Basal Angiosperms 
   スイレン目 Nymphaeales
     スイレン科 Nymphaeaceae コウホネ属 Nuphar

利用   :観賞用 
名前の由来:京都宇治の巨椋池(おぐらいけ)が産地であったことからの名前

水上葉は立ち上がらず水面に浮かぶ、広い楕円形で長さ5~10cm幅、4~6cm。裏面に毛がある。
葉柄は中空で、近縁種のヒメコウホネが中実であるのが違う点。本州中部以西、九州に自生するが各地の干拓、水路の改修などで、殆どの自生地は消滅しているのが現状。量的に少なく希少で生薬のセンコツの代用にはされない。

ー巨椋池(おぐらいけ)ー

桂川、宇治川、木津川の三川が合流して淀川となるその手前の低地に存在し、京都府の南部、現在の京都市伏見区・宇治市・久御山町にまたがる場所、宇治、京阪宇治駅、中書島、宇治川、太閤堤の史跡が残るあたりの地域にかってあった巨大池。万葉集、柿本人麻呂の歌
 「巨椋の 入江響むなり 射目人(いめひと)の 伏見が田居に 雁渡るらし」(巻9, 1699)に登場するほど昔から存在したが、幾多の変遷を経て姿を変え、最終的には昭和8年から16年にかけて行われた干拓事業で、農地になり今はない。オグラコウホネもかっては巨椋池に自生していた。

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・原色和漢薬図鑑 上 難波恒雄著(保育社) 
  ・日本の野生植物 草本Ⅱ (平凡社)
  ・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)

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