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トクサ(砥草、木賊)

商品写真
上・中・下:京都府立植物園 茎の先につく胞子とトクサの茎

トクサ(砥草、木賊)Equisetum hyemale Linne varjaponicum Milde
  シダ植物門 Pteridophyta 
   トクサ亜綱 Equisetidae 
    トクサ目 Equisetales 
     トクサ科 Equisetaceae トクサ属 Equisetum


生薬名  :モクゾク(木賊)
利用部分 :全草
利用   :民間薬
名前の由来:茎の表面がザラザラとして硬く、細工物を砥ぐ、磨くのに使われたことから。
      砥ぐ草”に由来する。中国では木賊といっていたので生薬名はモクゾク(木賊)に。
      木をこすり磨くのに使うので、木にとっては賊ということになるのだろう。

トクサはシダの仲間で、トクサ類は殆どが化石で発見されたものばかりで大型の木本のものが多い。現在のものはそれらの生き残りと考えられている。
地球上に現存するものはトクサ科トクサ属の1科1属のみで小型の草本になってしまっている。
北半球の涼しい地方に分布自生する。日本では中部地方以北の各地の湿った所に自生する。
地下茎から出た濃緑色の地上茎は直立し、棒状で太く中は中空になっている。3〜4cmごとに節がある。
節は元々、茎に輪生していた葉が退化して脱落したものだ。胞子嚢はツクシに似るが特別な胞子茎は出さず、普通の形の茎の先端に付く。日本庭園の植え込みによく似合う。

茎には無水ケイ酸を多量に含んでいるため、固くザラついている。
茎を煮て乾燥させたものは紙やすりとして利用され、工芸品、材木、角、骨など細工物の研磨につかわれる。
狂言に"主"に傘を買ってくるように命じられた太郎冠者の返答に“トクサで磨いて候“というせりふがあるように、上質の塗り物はトクサで磨くのが通例で、その用途は現在も変わらない。
漢方では収斂薬として腸出血、痔出血に止血の目的に使われる。


参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・最新生薬学 刈米達夫著  (広川書店)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・野草の名前 秋冬 高橋勝雄 解説(山と渓谷社)
  ・植物分類表 大場秀章 編著 アボック社

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