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マオウ科
マオウ/シナマオウ(支那麻黄)
上・中:大阪薬科大学 雄株の雄花
下・下:武田薬品 京都薬用植物園 雌株の雌花
マオウ(麻黄) Ephedra Herb
シナマオウ(支那麻黄)
Ephedra sinica
Stapf
種子植物門 裸子植物亜門 Gymnospermae
グネツム亜綱 Gnetidae マオウ目Ephedrales
マオウ科 Ephedraceae マオウ属 Ephedra
中国名:クサマオウ(草麻黄)
医薬品、漢方薬原料に必須のマオウ、咳止め薬フェドリンの起原植物
生薬名
:
マオウ(麻黄)
利用部分
:地上茎(草質茎)
利用
:日本薬局方生薬 漢方処方用薬、伝統・伝承薬原料
植物起源医薬品(Drugs of plant origin)エフェドリン(Ephedrine)鎮咳薬の原料
名前の由来
:やや渋く苦い。舌を麻痺させ、マオウが黄緑色であることに由来。
マオウ属のEphedraはギリシャ語エフェドラー「トクサ」から。
外見がトクサに似ているので。
マオウ科はマオウ属のみの1科1属
中国満州から内蒙古などの不毛の地や乾燥地帯に自生し、わが国には自生しない。
原始的な植物分類群に属するものの一つと言われ、マツなどと同じ裸子植物。
一見トクサやスギナに似た草のように見えるが、実際は常緑の小低木
。
茎の下部、地下茎は赤褐色の木質でその上にスギナのような緑色線形で節のある草のような茎が群生する。乾燥地帯で生育するため、水分の蒸発を防ぐように葉は鱗片状に退化し、茎に対性、又は輪生し下部で融合する。ツクシの”はかま”のように茶色の節に見える箇所が退化した鱗片葉が付いている位置。雌雄異株。黄色い塊状のものが雄花花序。
雌株は初夏、黄緑色の小さな花を咲かせる。直径8mm内外のやや卵円形の擬果をつける。肉質化した苞で包まれ赤くなる。中に黒い種子が入っている。(緑色の丸い苞は成熟すると赤くなる。)
マオウには約40〜50種の種類があるが日本薬局方でマオウとして用いる起源植物は、
・シナマオウ(クサマオウとも言う)Ephedra sinica Stapf
・キダチマオウ(トクサマオウとも言う)Ephedra equisetina Bunge
・チュウマオウ(アイマオウとも言う)Ephedra intermedia Schrenk et C.A Meyer )
の3種に限定されている。これらの地上茎を乾燥させたものが生薬のマオウ(麻黄)。
アルカロイド、L‐エフェドリン、プソイドエフェドリンを含有。発汗鎮咳解熱薬として葛根湯、小青龍湯などの処方に配合されている。小青龍湯の「青龍」とはマオウのこと。マオウを採取し日陰で乾燥させたときも色が青いことから、四神の一つ、青龍になぞらえた。
1885年(明治18年)マオウに含まれるアルカロイドを結晶として単離。その属名エフェドラからエフェドリン(ephedrine)と名づけたのは、
日本の近代薬学の開祖とも言われる長井長義博士
。化学構造と共に薬理作用も解明され、血圧上昇、瞳孔散大作用など交感神経興奮作用があることが分り漢方生薬の成分が日本人によって解明された画期的、記念すべき業績である。
しかし古来からの漢方薬の鎮咳作用は当時の西洋医学一辺倒から省みられず、時代が経過し1924年に北京連合医科大学の
陳克恢とカール・F・シュミット
らはエフェドリンが気管支喘息に有効であることを発見。マオウが漢方では呼吸器疾患に用いられてきたことに着目した結果の業績だ。
漢方薬の伝承されてきた古典文献、薬効の研究が、新たな有用な医薬品を植物成分から開発する発端の魁ともなった。
成分 効果
主にアルカロイド、L‐エフェドリン、プソイドエフェドリン
・交感神経興奮作用、気管支拡張作用があるので喘息や風邪の治療薬として用いられる。
・血圧上昇、中枢興奮などの副作用があり、スポーツ分野ではドーピングの対象薬物に指定。
用途
医薬品のみ
漢方処方用薬であり鎮咳、去痰、解熱、発汗作用により鎮咳去痰薬、気管支拡張薬、
鼻炎用薬、解熱鎮痛消炎剤とみなされる処方及びその他の処方に配合されている。
漢方処方例
・葛根湯 (かっこんとう)
・小青竜湯 (しょうせいりゅうとう)
・麻黄湯 (まおうとう)
・麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)
・麻杏薏甘湯(まきょうよっかんとう)
・薏苡仁湯 (よくいんいんとう)
・防風通聖散(ぼうふうちゅうしょうさん)
・五積散 (ごせきさん)
・五虎湯 (ごことう) など
参考文献
・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
・第15改正 日本薬局方解説書 (広川書店)
・最新生薬学 刈米達夫著 (広川書店)
・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
・生薬単 原島広至著 (株式会社エヌ・ティ・エス)
・漢方 生薬学 木村孟淳 (不知火書房)
・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)
科目別の一覧
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ツヅラフジ科
メギ科
キンポウゲ科
ケシ科
ハス科
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ツルムラサキ科
ビャクダン科
ボタン科
ユズリハ科
ユキノシタ科
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ミソハギ科
アカバナ科
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トウダイグサ科
オトギリソウ科
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イラクサ科
ウリ科
ブナ科
ヤマモモ科
カバノキ科
クルミ科
パパイア科
アブラナ科
アオイ科
ジンチョウゲ科
ムクロジ科
ウルシ科
センダン科
ミカン科
ミズキ科
アジサイ科
ツバキ科
カキノキ科
サクラソウ科
マタタビ科
リョウブ科
ツツジ科
トチュウ科
アオキ科
ムラサキ科
アカネ科
リンドウ科
キョウチクトウ科
ナス科
ヒルガオ科
モクセイ科
イワタバコ科
キツネノマゴ科
ゴマ科
クマツヅラ科
ノウゼンカズラ科
シソ科
ハマウツボ科
オオバコ科
ハナイカダ科
モチノキ科
ウコギ科
セリ科
トベラ科
レンプクソウ科
スイカズラ科
キキョウ科
ミツガシワ科
キク科
シナマオウ(支那麻黄)Ephedra sinica Stapf
種子植物門 裸子植物亜門 Gymnospermae
グネツム亜綱 Gnetidae マオウ目Ephedrales
マオウ科 Ephedraceae マオウ属 Ephedra
中国名:クサマオウ(草麻黄)
医薬品、漢方薬原料に必須のマオウ、咳止め薬フェドリンの起原植物
生薬名 :マオウ(麻黄)
利用部分 :地上茎(草質茎)
利用 :日本薬局方生薬 漢方処方用薬、伝統・伝承薬原料
植物起源医薬品(Drugs of plant origin)エフェドリン(Ephedrine)鎮咳薬の原料
名前の由来:やや渋く苦い。舌を麻痺させ、マオウが黄緑色であることに由来。
マオウ属のEphedraはギリシャ語エフェドラー「トクサ」から。
外見がトクサに似ているので。
マオウ科はマオウ属のみの1科1属
中国満州から内蒙古などの不毛の地や乾燥地帯に自生し、わが国には自生しない。
原始的な植物分類群に属するものの一つと言われ、マツなどと同じ裸子植物。
一見トクサやスギナに似た草のように見えるが、実際は常緑の小低木。
茎の下部、地下茎は赤褐色の木質でその上にスギナのような緑色線形で節のある草のような茎が群生する。乾燥地帯で生育するため、水分の蒸発を防ぐように葉は鱗片状に退化し、茎に対性、又は輪生し下部で融合する。ツクシの”はかま”のように茶色の節に見える箇所が退化した鱗片葉が付いている位置。雌雄異株。黄色い塊状のものが雄花花序。
雌株は初夏、黄緑色の小さな花を咲かせる。直径8mm内外のやや卵円形の擬果をつける。肉質化した苞で包まれ赤くなる。中に黒い種子が入っている。(緑色の丸い苞は成熟すると赤くなる。)
マオウには約40〜50種の種類があるが日本薬局方でマオウとして用いる起源植物は、
・シナマオウ(クサマオウとも言う)Ephedra sinica Stapf
・キダチマオウ(トクサマオウとも言う)Ephedra equisetina Bunge
・チュウマオウ(アイマオウとも言う)Ephedra intermedia Schrenk et C.A Meyer )
の3種に限定されている。これらの地上茎を乾燥させたものが生薬のマオウ(麻黄)。
アルカロイド、L‐エフェドリン、プソイドエフェドリンを含有。発汗鎮咳解熱薬として葛根湯、小青龍湯などの処方に配合されている。小青龍湯の「青龍」とはマオウのこと。マオウを採取し日陰で乾燥させたときも色が青いことから、四神の一つ、青龍になぞらえた。
1885年(明治18年)マオウに含まれるアルカロイドを結晶として単離。その属名エフェドラからエフェドリン(ephedrine)と名づけたのは、日本の近代薬学の開祖とも言われる長井長義博士。化学構造と共に薬理作用も解明され、血圧上昇、瞳孔散大作用など交感神経興奮作用があることが分り漢方生薬の成分が日本人によって解明された画期的、記念すべき業績である。
しかし古来からの漢方薬の鎮咳作用は当時の西洋医学一辺倒から省みられず、時代が経過し1924年に北京連合医科大学の陳克恢とカール・F・シュミットらはエフェドリンが気管支喘息に有効であることを発見。マオウが漢方では呼吸器疾患に用いられてきたことに着目した結果の業績だ。
漢方薬の伝承されてきた古典文献、薬効の研究が、新たな有用な医薬品を植物成分から開発する発端の魁ともなった。
成分 効果
主にアルカロイド、L‐エフェドリン、プソイドエフェドリン
・交感神経興奮作用、気管支拡張作用があるので喘息や風邪の治療薬として用いられる。
・血圧上昇、中枢興奮などの副作用があり、スポーツ分野ではドーピングの対象薬物に指定。
用途
医薬品のみ
漢方処方用薬であり鎮咳、去痰、解熱、発汗作用により鎮咳去痰薬、気管支拡張薬、
鼻炎用薬、解熱鎮痛消炎剤とみなされる処方及びその他の処方に配合されている。
漢方処方例
・葛根湯 (かっこんとう)
・小青竜湯 (しょうせいりゅうとう)
・麻黄湯 (まおうとう)
・麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)
・麻杏薏甘湯(まきょうよっかんとう)
・薏苡仁湯 (よくいんいんとう)
・防風通聖散(ぼうふうちゅうしょうさん)
・五積散 (ごせきさん)
・五虎湯 (ごことう) など
参考文献
・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
・第15改正 日本薬局方解説書 (広川書店)
・最新生薬学 刈米達夫著 (広川書店)
・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
・生薬単 原島広至著 (株式会社エヌ・ティ・エス)
・漢方 生薬学 木村孟淳 (不知火書房)
・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)