ヒカゲノカズラ（日陰鬘、日陰蔓）
ヒカゲノカズラ（日陰鬘、日陰蔓）Lycopodium clavatum Linnne
シダ植物門 Pteridophyta 小葉シダ
ヒカゲノカズラ亜綱 Lycopodiidae ヒカゲノカズラ目 Lycopodiales
ヒカゲノカズラ科 Lycopodiaceae ヒカゲノカズラ属 Lycopodium
別名：カミダスキ(神襷)
生薬名 ：セキショウシ（石松子）
利用部分 ：�）�子 ��地上部全草
利用 ：�＼什涕粁銑⊃聖�用の飾りに
名前の由来：学名のLycopodiumはLycos 狼のpodion足、細かい葉を密集させる形状を狼の足に
似ているのになぞらえ、 clavatum棍棒状の、胞子嚢が棍棒状をしていることから。
蔓のように生えることからカズラの名がつく
生薬名セキショウシ（石松子）は石の上を這い、松の葉に似ることから。
本邦のみならず世界各地に広く分布する常緑の匍匐草本。日の当たる山地の斜面などに良く茂っている。
一見するとスギゴケのように見えるので、コケの仲間のように思われるがシダ植物の仲間。日陰の蔓の名があるが、日陰ではなく、むしろ日のあたるガレ場のなど日向を好む。カズラの名があるが、これも他のものに絡みつくのではなく地表を這うように伸びていく。何故、ヒカゲノカズラの名になったか、名前からは連想しにくい。
茎は細長く長く伸び、二股に分岐しながら側枝を出す。葉は緑色の線形で杉の葉のような形状になる。
夏頃、茎の所々から垂直に立ち上がる枝を出し先に円柱状の棍棒のように見える胞子嚢穂を数個つける。中の胞子をセキショウシ（石松子）という。石松子は湿気に強く丸薬の衣にすると吸湿せず互いに粘着しないので重宝される。
またリンゴやナシの受粉の際の花粉を増量させるのに使われる。
ヒカゲノカズラは日本に元々野生するもので、古代では長く伸びた茎を頭の飾りに利用していたのでカズラの名がある。青々した緑は生気にあふれ、昔から神を祭る神事に用いられてきた。古くは古事記の天の岩戸の記述に登場する。天照大神が天の岩戸に隠れた際、天宇受売命（あまのうずめのみこと）が「天の香山の天の日影」を襷に踊ったと記されている。手にしていたのはオガタマの木。「天の香山の天の日影」はヒカゲノカズラのことで、以来、新年の注連飾り、結納かざりなど目出度い席に飾る風習が各地で見受けられる。奈良県率川神社の三枝祭では巫女がヒカゲノカズラを頭に挿し「五節舞」を奉納する。
成分：アラギン酸、パルミチン酸などの脂肪油約５０％、フィトステロール、ショ糖２％など
参考文献
・朝日百科 世界の植物 （朝日新聞社）
・最新生薬学 刈米達夫著 （広川書店）
・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 （広川書店）
・野草の名前 秋冬 高橋勝雄 解説（山と渓谷社）
・花と樹の事典 木村陽二郎 柏書房
・山野草 ハンドブック 伊沢一男著（主婦の友社）
・植物分類表 大場秀章 編著 アボック社
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