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サルオガセ(猿尾枷)

商品写真
上:富士山五合目白馬 
中・下:栂池自然園  ツガの木に垂れ下がるサルオガセ

サルオガセ(猿尾枷)Usnea  longissimi Acharius
  地衣植物門Lichenes
     サルオガセ科Usneaceae サルオガセ属Usnea
hanging moss     
別名:霧藻

生薬名  :ショウラ(松蘿)、キンセンソウ(金線草)
利用部分 :全体
利用   :民間薬
名前の由来:カセは麻やカラムシなどの繊維を糸状に長くしたものを絡ませる道具のことで、麻糸
      などをカセにかけ、長くたれ下がったのを表現したもの。
      別名、霧藻 霧の多い深山に自生し藻のように見えることから霧藻。

比較的高い亜高山にいくと針葉樹の枝から垂れ下がっているサルオガセに出会うことがある。薄灰色の幾重にも重なった糸状の藻が垂れ下がる様子は、深山の神秘的な雰囲気とあいまって幽玄の世界をかもし出す。

木にぶら下がった状態から寄生しているように見えるが、ヤドリギのような寄生植物ではない。
着生しているだけで自身で光合成を行う地衣類という植物。地衣類とは菌類と藻類とが共存する複合生物で自身で栄養を作ることができる。
菌類は長さが1mぐらいになる地衣体という特殊な生物体をつくり、藻類を共存させ、藻類が行う光合成により栄養を得ている。霧藻の名があるように霧のかかる深山の木の枝にぶら下がり空気中の水分と光合成だけで成長する。
このなんとも奇妙な形態のサルオガセは民間薬として咳、去痰、尿量減少、解熱(結核)などに使ったりもする。
同属のヨコワサルオガセからはリトマス試験紙の色素が採れる。


成分:地衣酸、ウスニン酸、地衣デンプンなど

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・花と樹の事典 木村陽二郎監修 (柏書房)

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