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タブノキ(椨ノ木)

商品写真
上・中:花博記念公園 タブノキの花
下・下:東京港区 旧芝離宮恩賜庭園 まだ青い実

タブノキ(椨ノ木)Machilus thunbergii Siebold et Zuccarini
  被子植物 Angiosperms
   被子植物基底群 Basal Angiosperms > モクレン類 Magnoliids
    クスノキ目 Laurales
       クスノキ科 Lauraceae  タブノキ属 Machilus

生薬名  :タブカワ(椨皮)
利用部分 :幹皮、枝皮
利用   :線香の結合粘料、染料
名前の由来:諸説あり樹霊信仰の対象から「霊の木」、樹皮や葉の粘液性に注目した「保つ木」か
      らとも考えられる。

日本の暖地林を構成する主要な樹木。高さ20m、幹は直径2mに達する常緑の高木。雄大な巨木になるものもある
東北地方南部以西から本州、沖縄の沿岸地帯に自生する。台湾、中国南部にも分布する。
葉は長さ8〜15cmの長楕円形、光沢ある硬い葉の縁は全縁(ギザギザはない)5月頃新枝の葉腋から円錐花序をだし、淡い黄緑色の両性花を咲かせる。後、球形の液果が実り、秋には黒紫色に熟す。材は堅く有用で建築、家具、枕木、楽器材、彫刻など広く用いられる。

線香や練り香はいろいろな香木や香草を粉末にして粘りを加えて練り線状や炭団型に丸めて乾燥したものだが、この際、粘料には通常このタブノキの樹皮の粉末を用いる。タブカワの粉末はペントザンを大量に含み水を加えると粘りが出てくる。他のデンプン糊などでは黴が発生し燃やすと焦げ臭いにおいがして、線香の火か消えたりするので不適切、タブノキでなければならない。
他にタンニンも含まれていることから魚網や織物の染料にもちいる。八丈島では黄八丈の媒染に応用される。


参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・最新生薬学 刈米達夫著  (広川書店)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・日本の樹木(山と渓谷社)
  ・花と樹の事典 木村陽二郎監修 (柏書房)
  ・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)

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