ワタ(綿)/ナンキンワタ(南京綿)

商品写真
上:大阪薬科大学薬用植物園
中・下:筆者栽培 花がしぼむ頃、花の色が赤く変わる。

ワタ(綿)
ナンキンワタ(南京綿)Gossypium  nanking Meyre

真正双子葉類 Eudicots >中核真正双子葉類 Core Eudicots >バラ類 Rosids>アオイ群 Malvids
   アオイ目 Malvales     
    アオイ科 Malvaceae ワタ属 Gossypium

和名:チャメン(茶綿)

利用部分 :種皮についている繊維
利用   :脱脂綿、布団綿
名前の由来:産地名ではなく、外国からきたワタの意味。

ワタはアオイ科のワタ属(Gossypium )の総称で、熱帯及び亜熱帯の乾燥地帯から半乾燥地帯にかけて世界におよそ15~20 種が分布している。
ワタは用途面から短繊維性と長繊維性に2種に大別される。
短繊維性のワタは太くて強いので、ふとん綿や脱脂綿に適用される。長繊維質は紡績用に綿糸に利用される。インド綿やナンキン綿は短繊維性の代表種。
ナンキン綿の繊維は茶褐色をしているので、茶綿の名がある。インド、中国、タイ、日本で栽培される。


インドが原産地。インドから中国にわたって品種改良された。ナンキン南京は必ずしも産地の名ではなく外国から来たワタの意味。インドワタGossypium arboretum Linneの系統をひく。
草丈は1mぐらい。実は卵形のさく果(蒴果)。熟すと裂けて開き、長い綿毛のある種子を出す。実は小さく綿毛も短い。

種子を繰り綿機にかけ原綿と綿実に分離。原綿は綿打機にかけ、均一な帯状に整える。
脱脂綿にするには、1%の水酸化ナトリウム溶液と加圧下で約110℃に加熱し、脂肪を除去し水洗後、晒して漂白し、希硫酸水、ついで大量の水で洗い乾燥すると脱脂綿が出来る。


ナンキンワタ茶毛解説
    Photo:筆者栽培 
     蒴果は3つに開裂はする。それぞれに綿毛に包まれた種子が5~7個入っている。

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・最新生薬学 刈米達夫著 (広川書店)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)

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