トックリキワタ(徳利木綿)

商品写真
上・中・下：青島亜熱帯植物園　落下した花と　大きな木に育ったトックリキワタ

トックリキワタ　(徳利木綿) Ceiba speciose St.Hil
真正双子葉類Eudicots ＞中核真正双子葉類Core Eudicots ＞バラ類Rosids＞アオイ群Malvids
　　　アオイ目 Malvales　　　　　
　　　　アオイ科 Malvaceae（←パンヤ科Bombacaceae）ケイバ属 Ceiba

別名：パロボラッチョ(palo Borracho)

生薬名　　：キワタ（木綿）カポック綿（Kapok）
利用部分　：種子の種毛
利用　　　：クッション、フトン綿、救命具の詰め物
名前の由来：果実の中に綿毛のある木の意味。
　　　　　　別名、パロボラッチョはスペイン語で酔っ払いの木の意味。
　　　　　　根元が膨れた様子を、お酒を入れる徳利や酒を飲む人の膨れたお腹に見立てた名。
　　　　　　またサクラのようにピンク色の花が咲くことから南米サクラとも。

ブラジル原産の高木。高さ２０ｍ位、見上げるような高木になる。幹は膨れて名前の由来のような徳利状になっている幹には鋭い棘があり生物が上ってこれないような仕組みになっている。葉は掌状複葉で小葉は５〜９枚。９月下旬〜１２月に咲く５弁花の花は大きくピンク色で美しい。５本の雄しべは１束になっている。
花の後にできる実は熟するとはじけ種子と繊維が垂れ下がる。咲くやこの花館では丁度膨らんだ下のPhotoのように綿毛が木一面にぶら下がっていた。青島では落下してくる綿毛で芝生が点々と白くなるそうだ。

綿毛の繊維は中空の管状をしていて繊維は短い。そのため紡績用や脱脂綿には適さないが、中空で空気を含有しやすいことから水中で浮く力が強い。救命袋、浮き袋に用いられる。原産地では繊維を収穫し、枕、座布団、クッション等の詰物とし利用するのもアケボノキワタと同じ。

宮崎県、青島亜熱帯植物園でのトックリキワタの案内プレートよると昭和４０年にブラジル県人会より送られた種から育てたとのこと。宮崎という温暖な土地柄、温室ではなく露地でも大きく育っていた。

トックリキワタのピンク色の花とはじけて綿毛が飛び出している果実
　　　トックリキワタ綿
　　Photo：花博　咲くやこの花館温室

参考文献
　　・最新生薬学　刈米達夫著　　（広川書店）
　　・咲くやこの花館ガイドブック
　　・植物分類表　大場秀章　編著　（アボック社）

（コメント）
従来、日本で長く親しまれてきた植物の分類体系は、近年遺伝子DNAに基づく新分類体系､APG�景�類が用いられるようなってきている。
その結果、従来ケイバ類はパンヤ科Bombacaceaeに属していたが、ワタ類やハイビスカクと同じアオイ科に移動。パンヤ科はアオイ科に統合され消滅した

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