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ミクリ(実栗)

商品写真
Photo:大阪市立大学附属植物園 
上:白い糸状は雌花の柱頭 中:雄花集団
下:集合果

ミクリ(実栗)Sparganium erectum Linne subsp.stoloniferum Hara
 単子葉植物 Monocots
  イネ目Poales
   ミクリ科 Sparganiaceae ミクリ属 Sparganium

生薬名  :サンリョウ(三稜)
利用部分 :根茎(外皮を除き乾燥)
利用   :薬用
名前の由来:花後に実る果実が、クリのイガを連想させることから。

ミクリ科は1属約20種がアフリカ中南部、南アメリカを除く、全世界の温帯から寒帯に広く分布し日本には約10種が自生する。いずれも池や沼、小川などに自生する。ミクリはかって日本の各地の池や沼などでよく見られたが、開発など環境の変化により激減し、現在は絶滅危惧種に指定されている。草丈50〜100cmの多年草。水底の地下茎より細長い葉が立ち上がる抽水植物。
ミクリ属のSparganiumスパルガニウムは小さなリボンという意味のキリシャ語 Sparganionスパルガニオンが由来。

6〜8月の夏、茎の上部の脇から花茎を伸ばし無柄の丸い頭花をつける。上部が雄花の集団、下部が雌花の集団、雌花の花柱が5mm位糸状に突出するのが特徴。丸く集まり受粉をし易くしているのではないかと思われる。受粉後、球形の直径2〜3cm程の集合果になる。1個1個の実は約1cm程の堅果、先が尖っていて、これもクリのイガのように見える。

ミクリや近縁の種ヒメミクリなどの根茎を、漢方ではサンリョウ(三稜)といい、鎮痛、通経、駆瘀血剤として、古い停滞した血流を良くするのに用いられる。かっては茎でむしろなどの敷物が編まれた。

漢方処方例
  ・三稜煎(さんりょうせん)

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・原色和漢薬図鑑 上 難波恒雄著(保育社) 
  ・花と樹の事典 木村陽二郎監修 (柏書房)
  ・野草図鑑 (北隆館)
  ・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)

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