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ラッキョウ（辣韮、薤、辣韭）

商品写真
Photo：鳥取砂丘　ラッキョウ畑　ラッキョウの薄紫色の花

ラッキョウ（辣韮、薤、辣韭） Allium chinense　G.Don
　単子葉植物　Monocots
　　キジカク目 Asparagales
　　　ヒガンバナ科 Amaryllidaceae（←ユリ科　Liliaceae）ネギ属 Allium

生薬名　　：ガイハク（薤白）
利用部分　：鱗茎
利用　　　：食用
名前の由来：中国名の一つ辣韮(らっきゅう)をそのまま呼称にした。

原産地は中国大陸だが、中国のどの地域かは不明。中国では古くから利用して居た。日本では平安時代初期の”本草和名”に野生のニラに対しオホミラ（於保美良）の名で登場することから、すでにその頃までには、薬用や食用として渡来していたと考えられる。その後江戸時代、中国名の辣韮(らっきゅう)の名が入るとラッキョの名が定着した。
ラッキョウは体を温め精神を安んずる効能がある。ラッキョウの食品としてまた薬用としての普及に伴い、良く似た日本の山野に自生するものにも、ヤマラッキョウ、イトラッキョウ、キイトラッキョウの名がつけられた。

ラッキョウの栽培は８月〜９月に親になる鱗茎を植えつける。植えつけると直ぐ芽が出て、晩秋、１０〜11月、花茎３０〜５０cmの花茎が伸び出て、紫色の花を咲かせる。日当たりがよく排水の良い土地、痩せた土地でも良く育つので、鳥取砂丘は一大産地になっている。花の盛りは広大に広がる一面のラッキョウ畑は薄紫に染まり、畑のラベンダーとも称されている。花びらは６枚内側に３枚、外側に３枚ある。花びらの中心に緑色の丸いものがあり、これが雌しべ、先に柱頭が伸び出る。雄しべは６本。しかし通常種子はできない。専ら種球により増やす。
翌年の６月頃収穫できる。1年目の粒は大きく1個の種球から１０個ほどが収穫できる。そのまま畑で栽培を続け２年目のを収穫すると更に分球し小粒が３０個ほど出来る。自家用では1年目だか、加工用には２年目のものが使われる。主に甘酢漬、醤油漬などに加工される。

ニンニクやニラと同様アリル硫化物を含み、ビタミンＢ1の吸収を高める。カリウムも含み、ナトリウムの排泄を促すので、高血圧症予防に役立つ健康野菜。３月から４月に若採りし、葉を髷状に束ね生食できるものは、かってエシャロットとして市場に出ていた。しかし本来の分球性のシャロットとは異なるので今日では「エシャレット」として生食される。よく似た名前で混同するが、エシャロットは一見小型のタマネギに見える。しかしその中は数個に分球している。フランス料理、イタリア料理に香味野菜として人気が有る。

参考文献
　　・朝日百科　世界の植物　（朝日新聞社）
　　・野草の名前　秋冬　高橋勝雄　解説（山と渓谷社）　　　　　
　　･漢方　生薬学　木村孟淳　不知火書房
　　・食材図典　　（小学館）
　　・植物分類表　大場秀章　編著　（アボック社）

（コメント）
従来、日本で長く親しまれてきた植物の分類体系は、近年遺伝子DNAに基づく新分類体系､APG�景�類が用いられるようなってきている。単子葉植物の科の定義中、最も大きな変革はユリ科の分類の中で行われた。エングラーの分類ではユリ科はユリ、ネギ、アロエ、リュウゼツラン、サルトリイバラ、チシマゼキショウなど広範囲の種が含まれていた。これらは分子系統から単一の系統ではなく多系統であることが分り再編された。
その結果従来、ユリ科　ネギ属のネギの仲間は、APG�兇任魯優�科が新たに新設されネギ科になっていたが、APG�靴任魯�ジカクシモ目のヒガンバナ科に含まれるようになった。ヒガンバナ科　ネギ属になった。


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