トベラ（扉）

商品写真
上･中：三重県熊野市　鬼ガ城　海岸のトベラと花
下：伊勢神宮　外宮　トベラの粘液に包まれた実

トベラ（扉）Pittosporum tobira（Thunb）W.T　Aiton　
真正双子葉植物Eudicots＞中核真正双子葉植物Core Eudicots＞キク類Asterids＞
キキョウ群Campanulids
　セリ目Apiales　
　　トベラ科Pittosporaceae　トベラ属Pittosporum

別名：トビラ（扉）トビラノキ（扉の木）

生薬名　　：カイドウ（海桐）
利用部分　：�〇沺⇒奸´⊆�木
利用　　　：�〔唄嵬堯＼疂�の魔よけ　�３肱�樹、公園樹
名前の由来：節分に、魔よけのために普通はヒイラギ、いわしの頭だが枝を門扉に挿したことに
　　　　　　由来する名。学名もトビラ。
　　　　　　トベラの属名Pittosporumも、Pitta樹脂 sporos種子から　

トベラ科は９属３５０種ほどがあり主にオーストラリアには９属すべてが自生する。トベラ科の自生の中心地。日本にはトベラとコヤスノキの２種のみが自生。

トベラは樹高２〜３ｍの常緑低木。暖地の海岸沿いに多く自生する。潮風につよい。太平洋側では岩手県の南端が、日本海側では石川県が北限となっている。枝の先端に集まった多くの葉は厚く革質で光沢がある。　丸い縁は外側に反り返る。雌雄異株。春４〜６月本年の枝先に５弁の白い花を上向きに多数咲かせて、良い匂いがする。白い花は、後黄色く変色する。一見すると花はバラ科のシャリンバイに似ている。花の頃は美しく、乾燥にも強いので街路樹、公園に良く植栽されている。防風樹、防潮樹にも利用される。

花は良い香りがするが、枝葉を切ると特有の臭いがする。このため鬼がこの臭いを嫌うので魔よけに、大晦日や節分に扉にさす風習が各地で見られ、それがそのまま名前の由来になっている。花の後丸い実がなる。成熟すると３片に割れ、中から濃いオレンジ色のアズキ粒大の種子が現れる。種子の表面は粘液で覆われ、実をついばみに来た小鳥たちに付着し運ばれ、分布を広げてゆく。トベラの属名Pittosporumも、Pitta樹脂　 sporos種子から。サポニンの一種殺菌性のヘデラゲニン、収斂作用のあるタンニンを含みトベラの乾燥した葉の煎汁は”しらくも”などの寄生性の皮膚病に外用する。かっては鎮痛、解毒にも使われたこともある。

参考文献
　　・朝日百科　世界の植物　（朝日新聞社）
　　・日本の樹木（山と渓谷社
　　・花と樹の事典　木村陽二郎監修　（柏書房）
　　・植物分類表　大場秀章　編著　（アボック社）



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