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サツマイモ(薩摩芋)

商品写真
Photo:明日香村栽培風景
花はアサガオに似て紅紫だが温帯の日本では稀
中・下:記念碑

サツマイモ(薩摩芋)Ipomoea batatas Lamarck var.edulis Makino
真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>キク類Asterids>シソ群Lamiids
   ナス目Solanales
     ヒルガオ科Convolvulaceae サツマイモ属Ipomoea

別名:甘藷、唐芋、琉球芋

利用部位 :塊根(イモ)
利用   :食用、加工食品、デンプン、アルコール、焼酎原料
名前の由来:薩摩の芋の意味。薩摩から伝えられ栽培が広まったから。外国から入ってきた
      イモから唐芋。同様に琉球から伝わったイモから琉球芋。

人々を飢饉から救ってくれた重要な食べ物でもあるサツマイモは、世界的に重要な食料源であり、飼料であり、工業原料でもある。
サツマイモは熱帯生の作物で、ルーツは諸説あり、サツマイモ属は中南米やポリネシアなどの太平洋の島々、東南アジア全域に分布するため定かではない。

コロンブスが新大陸を発見した際、原住民が食べていたイモをヨーロッパに紹介したのが、世界中に広まったといわれている。また、海路でパプア・ニューギニアなどの大洋州の島々に伝わり次第に広まったという説もある。日本へは慶長年間、宮古島に伝わったのが最初と言われている。後長崎、薩摩などに伝わり栽培されていた。サツマイモの名は八代将軍吉宗が薩摩藩から唐芋をとりよせ、青木昆陽に試作させて以降、救荒作物として、飢饉の際の重要な食べ物として全国に普及した。青木昆陽がサツマイモを試作して成功した地として東京都文京区の小石川植物園内に試作跡の記念碑が建てられている。

イモの品種は多く、形は紡錘形から長紡錘。皮色は赤紫、橙、紅、黄、白。肉色は橙、黄色、紫、白など変化に富み、多くの品種がある。主成分はデンプンと糖質。タンパク質、脂肪は殆ど含まれていない。ビタミンはビタミンA( βカロテン)、B1、B2、B、C、E、など、特にビタミンCは多い、カリウム、カルシウムの含有量も多く、良質のアルカリ性食品。その他食物繊維、ポリフェノールなどが多く優れた機能食品であることがわかる。単に飢餓のときの救荒作物としてのイメージがあるサツマイモだが、多くの栄養素が含む優れものだ。

主として食用にされるがデンプンはサツマイモデンプン(甘薯デンプン)として医薬品の賦形剤やアルコール醸造原料にする。またその醸造糟からはビタミンB12が得られるなど多方面に利用される。


甘薯試作跡 記念碑 小石川植物園(旧小石川薬園)−
青木昆陽は江戸付近でも甘薯(サツマイモ)栽培が出来るならば、利益も大きく飢饉の際の食料作物として役立つと考え 享保20年(1735年)、幕府に進言し許可を得、この地で栽培を試みたところ成功し、全国的に甘薯が栽培されるきっかけになった。この功績を称え大正10年この地に記念碑が建てられた。(小石川植物園記念碑案内プレートより引用)

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・最新生薬学 刈米達夫著  (広川書店)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・食材図典  (小学館)
  ・食材事典 原田孝子監修 (学研)
  ・花と樹の事典 木村陽二郎監修 (柏書房)
  ・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)

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