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トビシマカンゾウ(飛島萱草)

商品写真
上・下:佐渡島 大野亀のトビシマカンゾウと 自生地

トビシマカンゾウ(飛島萱草)Hemerocallis dumortieri var exaltata Kitamura
 単子葉植物 Monocot  
   キジカズラ目 Asparagales
     ワスレグサ科 Hemerocallidaceae ワスレグサ属 Hemerocallis

名前の由来:最初の発見地、山形県の飛島に因む。


ワスレグサ属Hemerocallisは東アジアの温帯を中心に分布する多年草で約20種。特に日本には多くの種類があって各地で見られる。葉は2列に根生し、細長い線形。淡い黄色から橙赤色の大形のユリに似た花を咲かせる。学名のヘメロカリスHemerocallisや英名のデイ・リリーDay Liliyは共に一日花であることに由来する。

この属は開花時間、花色、花序によってキスゲ群、ゼンテイカ群、ノカンゾウ群の三つの群に分けられる。
キスゲ群は夕方咲いて翌朝しぼむ夜咲き、夕方咲き、翌日の午後まで咲いている夜昼咲き、花はレモン色か黄色。よい香がする。ユウスゲがこの群。トビシマカンゾウはゼンテイカ群

山形県の離島、飛島と佐渡の海岸に限定して自生する。草丈50〜120cmの多年草。根茎の1部が膨らむ紡錘型。葉の幅2cm位。先は垂れる。開花期は5〜7月、橙黄色の大きな花を付ける。ゼンテイカ(ニッコウキスゲ)に良く似ている。ニッコウキスゲが飛島や佐渡で分化し生じた種と考えられている。飛島では、この花を漬物や酢のものにして食べ、葉はワラの変わりに利用した。

佐渡島 北端 大野亀はトビシマカンゾウの群生地として知られている。近年、佐渡牛の放牧が行われなくなり、多くの草が茂り、トビシマカンゾウが減少したため、草を刈るなどの保護策が取られている。
ヤブカンゾウ、ノカンゾウなどのような薬用などの実用面はないが、かって葉は縄やぞうり、花は食用にされた。現在は保護され観賞用にされている。


参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・野草図鑑 夏 (北隆館)
  ・野草の名前 夏 高橋勝雄 解説(山と渓谷社)
  ・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)

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