ストロファンツス・コンベ

商品写真
Photo：日本新薬山科植物資料館　上：ストロファンツス・コンベの花　下：棚仕立ての蔓性の幹葉　

ストロファンツス・コンベ Strophanthus kombe Oliver
真正双子葉植物Eudicots＞中核真正双子葉植物Core Eudicots＞キク類Asterids＞シソ群Lamiids
　　リンドウ目　Gentianales
　　　　　キョウチクトウ科 Apocynaceae 　キンリュウカ属 Strophanthus

生薬名　　：ストロファンツス子
利用部分　：柄を除いた種子
利用　　　：薬用
名前の由来：Strophanthusはギリシャ語のStrophosねじれた紐、 anthos花の２つの語からの名。
　　　　　　花の蕾時　らせん状にねじれて、たたまれた状態に因む。

ストロファンツスはアフリカや熱帯アジア原産で、数１０種類が知られ、強心配糖体ストロファントスを含む。アフリカの原住民たちは古くからそのエキスを矢毒として狩りに用いていた。
１８６０年　デヴィット・リビングストーンのアフリカ探検の際、原住民たちの間ではコンベと呼ぶ植物の種子を砕き、矢毒に用いていたのを知ったのが発端になっている。
ヨーロッパに紹介されたコンベは、後Strophanthus kombe Oliverと名付けられた。その後西アフリカからStrophanthus　hispidus DC　ヒスピドーゥスとStrophanthus　gratus　Franchet　グラーツスが見出される。３種はかってストロファンツスの原植物として日本薬局方�兇房�載されていた。

Strophanthus kombeはアフリカ東部が原産のつる性低木。樹高４〜５ｍ。葉は対生。花冠は淡黄色、中はオレンジ色でとげ状の副花冠が突き出ている、ロート状で先端が深く５分裂し、各花弁状の先端は長くねじれて紐状に垂れ下がる。その長さは往々２０ｃｍにも達するほど。花後、牛角状に対生す2個の袋果が実る。種子の先端は細長い糸状の柄があり上端は羽毛が密生する。種子をストロファンツスといい、配糖体ストロファンチンを含み強心薬にする。ストロファンチン、ストロファンチンチンキの製造原料にする。
１８７０年イギリスのトーマス・Ｒ・フレイザーは初めてストロファンツスチンキを強心薬として用いた。
心臓に対しジキタリス様の作用を示し即効性があり作用は一過性でもあるので、かっては製剤化され、医療の場に供されたが、有毒で危険性もあり、現在は生薬由来の強心薬としてはジキタリス由来のみで、ストロファンツスは医療用にはされていない。　

参考文献
　　・朝日百科　世界の植物　（朝日新聞社）
　　・最新生薬学　刈米達夫著　　（広川書店）
　　・薬用植物学各論　木村康一・木島正夫共著　（広川書店）
　　・植物分類表　大場秀章　編著　（アボック社）
　　・世界を変えた薬用植物　ノーマン・テイラー原著　難波恒雄･難波洋子訳注（創元社）

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