カミツレ/ローマンカミツレ

商品写真
上:武田薬品 京都薬用植物園
中:東京薬用植物園
下:大阪薬科大学薬用植物園

カミツレ/ローマンカミツレ(Roman chamomile) Chamaemelum nobile Linne
真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>キク類Asterids
>キキョウ群Campanulids
   キク目Asterales
     キク科Asteraceae ローマカミツレ属Chamaemelum

利用部分 :全草(開花前の)頭花
利用   :精油、ハーブ 入浴剤、ポプリ、観賞
名前の由来:強いリンゴの香がすることから、大地のリンゴを意味するギリシャ語のカマイメロン
     (Chamaimelon)からカミツレの名に。和名のカミツレはオランダ名のKamilleに
      基づく。

ヨーロッパ南部、地中海沿岸地域、アジア西部が原産。古代エジプト時代から薬草として広く利用されており、リンゴのような甘い香りがする。

カミツレ(カモミール)にはジャーマン種とローマン種、矮性で八重咲き種、ダブルフラワーカモミールがある。単にカミツレ(カモミール)といえば、かって日本薬局方(初版〜8局まで)にも収載されていたジャーマン種、ジャーマンカミツレ(ジャーマンカモミール)を指す。

イギリスなどで、よく使われるのは同じカミツレの仲間、本種のローマンカミツレ。ジャーマン種も同じようにリンゴの香がするが、こちらは特に香が強く全体的に茎葉まで香る。
花は直径2.5cmほど、デイジーに似た白い花を咲かせる。ジャーマン種との違いは、花が一回り大きく、舌状花(花びら)の数が多いこと、花の中央の黄色い筒状花で構成される花床がいちじるしく盛り上がらず比較的平板で中が空洞にならないこと蕾が下を向くこと。草丈がジャーマン種は60〜70cm程に伸びるのに対し、ローマン種は30〜40cm程、株は地面に横に広がる性質などからが見分けるポイント。
日本へは1818年江戸幕府がオランダから取り寄せたのが最初。ローマン種はジャーマンカミツレと似た成分を含み、利用方法もほぼ同じ。茎葉も香るので乾燥させた地上部、頭花共に利用できる。ハーブティにして風邪の症状、胸やけ、消化不良など消化器官の不調に健胃効果が期待できる。入浴剤にすると、肌が滑らかになり、冷え症、腰痛、リウマチに効果がある。濃く抽出した液をリンスに使うと髪が柔らかくなる。
ヨーロッパではキャンディー、焼き菓子、リキュールなどの香、風味つけとしても用いられる。


参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・最新生薬学 刈米達夫著  (広川書店)
  ・ハーブ  亀田龍吉著 (山と渓谷社)
  ・暮らしに役立つハーブ手帖 (MUSASHI BOOKS)
  ・ハーブ大全 リチャード・メルビー著 難波恒雄日本語版監修 (小学館)
  ・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)



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