キク／シマカンギク（島寒菊）

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Photo:日本新薬　山科植物資料館

キク／シマカンギク（島寒菊）Chrysanthemum indicum Linné
真正双子葉植物Eudicots＞中核真正双子葉植物Core Eudicots＞キク類Asterids
＞キキョウ群Campanulids
　　　キク目Asterales
　　　　　キク科Asteraceae 　キク属Chrysanthemum　

　　別名：アブラギク(油菊）、ハマカンギク（浜寒菊）

生薬名　　：キクカ（菊花）
利用部分　：①花（満開の開花期）　②全草
利用　　　：①日本薬局方生薬、漢方処方薬、薬用　②観賞用
名前の由来：アブラ菊は花を油に浸し傷薬にしたことからの名。
　　　　　　自生地は浜辺とは限定しないが、冬になっても咲いているのでカンギク（寒菊）の名
　　　　　　がつく。

近畿地方以西、九州、四国などの暖地に自生。その他、朝鮮半島南部、中国南部、中国中部、台湾などにも自生するノギク（野菊）の一種。シマやハマの名がつくが、島や海岸だけでなく、内陸の日あたりの良い山麓に自生する多年草。地下茎が横に這い、先に新苗を作る茎は叢生し、下部は倒れて地に着くが、先は立ち上がり草丈３０～８０ｃｍ位になる。葉は濃い緑色で茎に互生する。花期は１０～１２月。直径２.５ｃｍ程の小さい黄色い花が咲く。冬になっても咲いているのでカンギク（寒菊）の名がつく。

観賞菊の原種でもあり、野生種のみならず栽培もされる。シマカンギクには多くの変種が見られる。愛媛県北部にはイヨアブラギク、徳島県剣山の標高１８００ｍ付近にはツルカンギク、出雲市乙市町にはオッタチカンギク、熊本県金峰山にはシロバナハマカンギクなど。また花の外周の舌状花が発達し、中央の筒状花が丸く盛り上がり、1月になってもまだ咲いているのでカンギクという名のつくカンギク（寒菊）もシマカンギクを母種にしている変種。

１０月下旬、花の満開時採取、乾燥する。生薬名、キクカ（菊花）で主に発熱、頭痛、口渇など風邪の諸症状を取り除くのに用いられる。その他、血圧降下、利尿、消炎、解毒、目の充血、めまいに効果がある。漢方処方では釣藤散に配合される。

成分
　フラボノイド：ルテオリン
　セスキテルペン：キッカノール

利用
漢方処方用薬：解熱・鎮痛・鎮静・明目作用があり、眼疾患・頭痛など精神疾患を改善する薬方に配合される。
　・釣藤散（ちょうとうさん）

参考文献
　　・朝日百科　世界の植物　（朝日新聞社）
　　・第15改正　日本薬局方解説書　（広川書店）
　　・最新生薬学　刈米達夫著　（広川書店）
　　・薬用植物学各論　木村康一・木島正夫共著　（広川書店）
　　・生薬単　原島広至著など　（株式会社エヌ・ティ・エス）　　
　　・野草の名前　秋冬　高橋勝雄　解説（山と渓谷社）
　　・野草図鑑　秋　（北隆館）
　　・日本の野生植物　草本Ⅲ　（平凡社）
　　・植物分類表　大場秀章　編著　（アボック社）

キク／シマカンギク（島寒菊）

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