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ヤナギトウワタ（柳唐綿）

商品写真
上・下：日本新薬　山科植物資料館　　満開のヤナギトウワタ

ヤナギトウワタ（柳唐綿）Asclepias tuberosa　Linne
真正双子葉植物Eudicots＞中核真正双子葉植物Core Eudicots＞キク類Asterids＞シソ群Lamiids
　　リンドウ目　Gentianales
　　　キョウチクトウ科　Apocynaceae 　トウワタ属 Asclepias(←ガガイモ科Asclepiadaceae)

別名：アスクレピアス

生薬名　　：アスクレピアス根　Asclepias　Pleurisy root
利用部分　：根
利用　　　：薬用、観賞用
名前の由来：葉の形がヤナギの葉に似ているのでヤナギトウワタに。トウワタ（唐綿）は外来の
　　　　　　綿の意味。種子につく冠毛が綿に似ているための名。
　　　　　　属名はギリシャの医神アスクレピオスの名に由来。

トウワタ属Asclepiasは北アメリカとアフリカに約８０種あり、２、３種が観賞用に栽培される。
ヤナギトウワタは北アメリカ原産。果実の形がパンヤノキに似ているので、宿根パンヤとも呼ばれる。草丈５０ｃｍ程。ヤナギに似た細長い葉が互生する。夏に多数の橙黄色の花を付ける。花は実に凝った形をしている。がく片、花弁共に５枚。花弁は深裂し垂れ下がる。中心部は雌しべ、雄しべの周りに袋状の副花冠５個がつく。花の後、実がなる。中に入っている種子に附く綿毛により、トウワタの名がある。綿毛は風で運ばれ分布を広げる。茎を折ると白い乳液が出てくる。有毒なので要注意。

根は塊茎状に横に長く伸び肥大する。この根をアスクレピアス根といい配糖体アスクレピアデン、樹脂、精油、タンニンなどを含み発汗、利尿、去痰薬にする。

アスクレピオス
ギリシャ神話に登場する医師の祖。アポロン神とコロニスの息子で、ケンタウルス族の賢人ケイロンから医術を学び医術の腕を上達させ、ついに死者まで蘇生させるまでの腕になった。このことが冥界の王ハデスの怒りを買い、ゼウスに訴えたため、ゼウスによってアスクレピオスは雷でうたれた。アポロンは彼を天に挙げて再生不死の象徴である蛇をつかんだ蛇使い座にしたという。医療施設、教育機関の紋章には杖と蛇を組み合わせが良く使われる。WHOのシンボルマークにも使用されている。

参考文献
　　・朝日百科　世界の植物　（朝日新聞社）
　　・薬用植物学各論　木村康一・木島正夫共著　（広川書店）
　　・植物分類表　大場秀章　編著　（アボック社）

(コメント)
近年、ＤＮＡ配列に基づく系統関係から、従来とは異なる配列がとられるようになった。
ＡＰＧによる大分類で、１９９８年に最初の系統的分類ＡＰＧ�気�発表されてから改定が加えられ、現在は２００９年のＡＰＧ�靴�発表されるに至っている。
その中で従来のキョウチクトウ科Apocynaceaeとガガイモ科ガガイモ科Asclepiadaceae)は統合され、新たにキョウチクトウ科Apocynaceaeとされた。したがってガガイモ科に分類されていたヤナギトウワタはキョウチクトウ科Apocynaceaeに統合されトウワタ属Asclepiasになった。

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