キジョラン（鬼女蘭）

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上・中・下：国東半島　

キジョラン（鬼女蘭）Marsdenia tomentosa Morr. et Decne
真正双子葉植物Eudicots＞中核真正双子葉植物Core Eudicots＞キク類Asterids＞シソ群Lamiids
　　リンドウ目　Gentianales
　　　キョウチクトウ科Apocynaceae(←ガガイモ科Asclepiadaceae)　キジョラン属Marsdenia

アサギマダラの代表的な食草

名前の由来：花後の種子から出る白い綿毛が髪を振り乱した老婆に見立てた名。
　　　　　　キジョラン属Marsdeniaマースデニアはアイルランド生まれのオリエント学者、
　　　　　　貨幣学者、植物収集家マーズデン（１７５４～１８３６）に因んだ名。

常緑のつる性多年草。関東以西、四国、九州、沖縄などの山の木陰に自生する。ランの名がつくがラン科ではない。キョウチクトウ科（←ガガイモ科）茎の下部は木質化する。円形の葉は大きく直径７～１４ｃｍ。光沢がある。葉は対生する。夏、葉腋から出た花軸の先に、淡い黄色がかかった白い花を咲かせる。花の後、小さな花にしては大きな実がなる。中に種子が詰まっていて、冬が近ずくとはじけ、中から種子についた綿毛が飛び出してくる。老婆、鬼女の白髪に見立てられる。
海を渡る蝶、渡りをする蝶アサギマダラはこのキジョランに卵を産み付ける。卵から孵った幼虫はキジョランを食べて成長する。薬用などの実用性はないが、アサギマダラの食草なので取り上げた。

アサギマダラ
　　　
　　　

　　　Photo：福岡県大島　御嶽山の山道　　ヒヨドリバナの花に留まり吸蜜するアサギマダラ
　　　
　　　アサギマダラ蝶

大島は福岡県宗像市よりフェリーで２５分ほどの沖合いにあり世界遺産「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群に指定されている。　宗像三女神の一神を祀る宗像大社中津宮があり、沖津宮を遥拝することが出来る。

参考文献
　　・朝日百科　世界の植物　（朝日新聞社）
　　・生薬単　原島広至著　　　　（株式会社エヌ・ティ・エス）
　　・花と樹の事典　木村陽二郎監修　（柏書房）
　　・日本の野生植物　草本Ⅲ　（平凡社）
　　・植物分類表　大場秀章　編著　（アボック社）

(コメント)
近年、ＤＮＡ配列に基づく系統関係から、従来とは異なる配列がとられるようになった。
ＡＰＧによる大分類で、１９９８年に最初の系統的分類ＡＰＧⅠが発表されてから改定が加えられ、現在は２００９年のＡＰＧⅢが発表されるに至っている。
その中で従来のキョウチクトウ科Apocynaceaeとガガイモ科ガガイモ科Asclepiadaceae)は統合され、新たにキョウチクトウ科Apocynaceaeとされた。したがってガガイモ科に分類されていたキジョランはキョウチクトウ科Apocynaceaeに統合されキジョラン属Marsdeniaになった。

キジョラン（鬼女蘭）

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