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キャベツ(cabbage)

商品写真
上・下:奈良県 明日香村の畑

キャベツ(cabbage)Brassica oleracea var. capitate
真正双子葉類Eudicots >中核真正双子葉類Core Eudicots >バラ類Rosids>アオイ群Malvids
  アブラナ目Brassicales
     アブラナ科Brassicaceae  アブラナ属Brassica

別名:カンラン(甘藍)

利用部分
 :葉
利用   :食用、薬用
名前の由来:英名、キャべジCabbageより、キャべジは頭形の野菜という意味

ヨーロッパの代表的な野菜。キャベツの原種は西ヨーロッパの海岸の崖に野生していた。栽培の歴史は非常に古くギリシャ、ローマ時代から栽培され、当時は薬用や保健食として利用されていた。現代も結球しないケールが青汁として利用されるなど、古代の用途が復活しているのは興味深い。野生種は葉が丸くならない非結球性の葉キャベツであったが長い年月改良が重ねられ、現在見られる、結球性キャベツが生み出され、13世紀ごろには結球性がヨーロッパ各地に広まった。

日本へは18世紀、オランダ経由で導入されたが、野菜として食用面での実用にはされなかった。野菜として注目されだしたのは明治初期、北海道開拓により、栽培に成功して以来、序々に広まり大正期には一般的に成った。その後日本では、耐寒性、、耐暑性など日本独自の品種改良が進み、通年をとうし、各地で広く栽培されるようになった。外側の大きな葉で結球を守っている。結球した葉の外側の葉ほど栄養を多く含む。

キャベツはビタミンCが豊富で、抗酸化作用に優れ老化防止、動脈硬化の予防、美肌作りに役立つ。ビタミンC は外葉と芯の部分に特に多い。カリウム、カルシウム、ビタミンKも多いので、骨の形成にも、野菜から摂取できる。

その他キャベツの最大の特徴はビタミンUと呼ばれ、キャベツから抽出されたのでキャべジンの名がついている有効成分は胃粘膜を保護し、胃腸の新陳代謝を活発にし潰瘍になるのを防いでくれる天然の胃腸薬。

キャベツの中に含まれる有効成分はメチルメチオニンスルホニウムクロリド。これを成分として製薬会社から、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃炎、慢性肝炎に適応症のある新薬が発売され医療の場に供されている。薬としても栄養面からも優れたキャベツを食生活にドンドン取り入れ、健康的な日々を過ごしたい。


―同属のアカキャベツ(赤キャベツ)―

 英名:レッドキャベツred cabbage
 和名:紫キャベツ

     キャベツ赤
       Photo:西宮市立北山緑化植物園

アカキャベツはアントシアニン系色素により葉面が紫色になるが、葉肉は白色。普通のキャベツwhite cabbageと同じ仲間として扱われる。美しいので、淡い緑色のキャベツと盛り合わせたり、サラダなど前菜にすると食卓が華やかで彩り豊かになる。近年はF1種(一代雑種)のルービボールをはじめいろいろの品種が生みだされている。

参考文献
  ・食材図典(小学館)
  ・食材事典 原田孝子監修 (学研)
  ・製薬会社インタビューフォーム
  ・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)
  ・野菜と果物図鑑 ファイブ・ア・デイ監修 (新星出版社)
  ・とれたて野菜手帳 石倉ヒロシ 真木文絵 (NHK出版)

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