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ツチアケビ(土木通)

商品写真
上:大阪市立大学附属植物園 ツチアケビの花、下はツチアケビの真っ赤な果実

ツチアケビ(土木通)Cyrtosia septentrionalis Reichb.f
  単子葉植物 Monocots
   キジカクシ目(クサスギカズラ目)Asparagales
     ラン科Orchidaceae ツチアケビ属Galeola


生薬名  :ドツウソウ(土通草)
利用部分 :果実(秋に採取)
利用   :薬用
名前の由来:花後に実る果実をアケビに見立てた名。但しアケビのように開裂しない。
      ドツウソウ(土通草)はアケビのモクツウ(木通)に対しての名。

ツチアケビ属は熱帯性のラン科バニラ属が北方へ分布を広げるに従い、葉は葉緑素を失い、無葉緑腐生植物、菌根植物に徹して生存したものと考えられる。
単独では生存しえず、キノコの一種、ナラタケ菌と共生し、ナラなどの広葉樹林やヤブなど腐葉層の豊富な所に自生する。

北は北海道から南は奄美大島までの広い範囲の森林内で見られる。日本の固有種。太い菌根は太く地中を這い、所々地上茎を出し枝に柄のついた褐色の花を咲かせる。花の外側の花びらは大きく3枚、内側に小さな花びらが2枚ある。花の中心部の黄色い部分の下側に唇弁がある。花の形を見ると、なるほどランの仲間だとわかる。

花後に小さなバナナをぶら下げたような果実が実る。色は赤く独特の色をしていて初めて見ると驚く色と形をしている。秋この果実を採取し天日で乾燥させた物が生薬のドツウソウ(土通草)。
成分は未詳だが強壮、強精薬、利尿薬にする。


ナラタケ(楢茸)Armillariella mellea Karst
  担子菌類 ハラタケ目 キシメジ科 ナラタケ属

ナラタケはナラなどの広葉樹の枯木、切り株、倒木などに生えるキノコ。世界的に分布する。食べられるキノコだか立ち木の根を侵す害菌でもあり、林業や果樹、造園などに大きな被害を与える。ナラタケ病という。
ツチアケビやオニノヤガラなど葉緑素を持たないラン科植物に内生菌根を作って共生する。若い菌糸束は発光する。
近年見られるナラ枯れとは又別、ナラ枯れはコナラや、ミズナラなどナラ類(ミズナラ、コナラなど)、シイ、カシ類などドングリのなる木、大きな成木にカシノナガキクイムシが媒介する菌(カビの一種ナラ菌)が感染し急速に枯れる現象。

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・野草の名前 秋冬 高橋勝雄 解説(山と渓谷社)
  ・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)

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