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ヘンルーダ (Henruta)

商品写真
上:大阪市立長居植物園
下:日本新薬 山科植物資料館

ヘンルーダ (Henruta) Ruta graveolens Linne
真正双子葉類Eudicots >中核真正双子葉類Core Eudicots >バラ類Rosids>アオイ群Malvids
   ムクロジ目Sapindales
     ミカン科Rutaceae ヘンルーダ属 Ruta

 別名:ルー(rue)、コモンルー(comon rue)

生薬名  :ウンコウソウ(芸香草)
利用部分 :開花期の全草
利用   :薬用
名前の由来:ポルトガル名のhen rutaに由来でhenは冠詞。種名graveolensは強臭という意味

ヨーロッパ南部に地中海沿岸地方原産。草丈30〜90cm程になる多年草。青みがかった葉は互生。多数に裂けた羽状複葉で裂片の葉はヘラ状。6〜7月にかけて枝の先に花序を出し、黄色い花を咲かせる。花弁は4枚または5枚。雄しべは8〜10本。

全草からは独特の甘い香りが強く香る。全草に精油0.06%を含む。主成分はメチルノニルケトン、メチルヘプチルケトンその他リモネン、シネオールなどの精油、ルチンなどのフラボン配糖体など。開花期の全草を水蒸気蒸留して精油を得る。食品の香料にかっては使用されたが粘膜を刺激する作用があり、現在は使われない。ヘンルダーの全草を乾燥した生薬はハーブティとして鎮痙、鎮静、心身の疲労、通経、駆風に用いられる。ヨーロッパでは、ヒポクラテスがヘンルーダの効能を記している程古くから薬用に使用されてきたが、現在は使われなくなった。

茎や葉は強い殺菌、防虫作用があり、小枝を吊るして置くだけでハエが寄り付かないほど効果がある。書籍に葉を挟むと防虫になる。乾燥させた葉の粉末は殺虫剤としても使えるなど、独特な強い香りが虫よけになる個性的なハーブ。幼児や敏感肌の人は葉に触るとアレルギーを起こす可能性もあるので取り扱いには要注意。

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・ハーブ  亀田龍吉著 (山と渓谷社)
  ・暮らしに役立つハーブ手帖 (MUSASHI BOOKS)
  ・ハーブ大全 リチャード・メルビー著 難波恒雄日本語版監修 (小学館)
  ・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)

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