ユズ（柚子）

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上：高知　中岡慎太郎生家の庭のユズの花
下：長浜市木ノ本町鶏足寺付近の畑

ユズ（柚子） Citrus junos　Tanaka　
真正双子葉類Eudicots ＞中核真正双子葉類Core Eudicots ＞バラ類Rosids＞アオイ群Malvids
ムクロジ目Sapindales
　ミカン科Rutaceae　ミカン属　Citrus
　　
　　　食用に、薬用にと用途の広いユズ

生薬名　：ユジツ（柚実）
利用部位：①未熟果実を丸々　②果実
利用　　：①薬用にキジツ（枳実）の代用、クマル(久丸)に　②食用

揚子江上流が原産。朝鮮半島経由で日本に渡来したのは唐代以前と言われている。耐寒性に優れ東北地方にまで栽培が広がっている。
葉柄には幅広い翼がある。白い５弁の花は５月頃に開く、白く清らか花。葉柄には大きな翼が付いている。果皮は厚くしわがあり、香り高い。ママレードやジャムなどに加工されたり、柚子湯にしたり皮を味噌に混ぜて柚味噌に、またお吸い物に香りを添えるなど日本料理には欠かせない。冬至には、柚子風呂をする習慣がある。病気や邪気をはらってくれ、風邪も引きにくくなるという。
実際に体がよく温まり血行促進され冷え性の予防にもなる。美肌効果も期待できる。

クエン酸、ビタミンＣ、リモネン、シトラール、ペクチン、ヘスペリジン、フラボノイドなど他の柑橘類と同様の成分が含まれている。大分県の特産で知られるカボス（臭橙）はユズの近縁種。

京都の水尾、徳島の那賀町、高知の馬路村、北川村などが屈指のユズの産地として知られている。
高知の北川村は幕末の志士、中岡慎太郎の故郷としても有名で、大庄屋の家に生まれた慎太郎は村内に自生していたユズを殖産振興のため栽培を村民に奨励した。これが今日の北川村のユズ栽培の始まりと言われている。中岡慎太郎は坂本竜馬と共に京都で暗殺され、明治維新の夜明けを見ることなく倒れた偉人として高知、室戸岬に銅像がたてられているが、北川村の像は、慎太郎が志を立て旅立つ若々しい姿を留めている。

　　
Photo：高知、北川村　旅立つ中岡慎太郎の像

用途
　　・薬用に：未熟果実は枳実の代用として健胃、駆風、矯味薬に利用
　　・食用に：果汁は調味料に

参考文献
　　・朝日百科　世界の植物　（朝日新聞社）
　　・最新生薬学　刈米達夫著　　（広川書店）
　　・薬用植物学各論　木村康一・木島正夫共著　（広川書店）
　　・生薬単　原島広至著　　　　（株式会社エヌ・ティ・エス）
　　・日本の樹木（山と渓谷社）
　　・食材図典　　（小学館）
　　・食材事典　原田孝子監修　（学研）
　　・植物分類表　大場秀章　編著　（アボック社）

ユズ（柚子）

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