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タマビャクブ(玉百部)

商品写真
上・中・下:日本新薬 山科植物資料館 
      タマビャクブの花と蕾

タマビャクブ(玉百部)STemona tuberosa Lour
 単子葉植物 Monocots
  タコノキ目Pandanales
     ビャクブ科Stemonaceae ビャクブ属Stemona

生薬名  :ビャクブ(百部)
利用部分 :根(地上部が枯れる頃、堀上げ、髭根を取り除き湯通しした後、日陰乾燥する。)
利用   :薬用
名前の由来:中国の名医別録を著した李時珍によると「根が多く100数10の根が一隊の部隊の
      ように見えることから名付けた」とある

ビャクブ属は世界に25種ほど知られ、日本では野生種はない。中国原産のビャクブ(別名:ツルビャクブ)とタチビャクブの2種が薬用として栽培されている。いずれも江戸享保年間に薬用にするため中国から輸入された。生薬のビャクブ(百部)としてタマビャクブとともに利用される。

タマビャクブは台湾から中国南部、インドにかけて分布する。近年、台湾から生薬ビャクブ(百部)として輸入されるものはタマビャクブの肥大根。他のビャクブとは異なり、大形になり地上部はつる性、他のものに絡まって成長する。葉は対生、広い紡錘形の葉には4〜6cmほどの葉柄があり、葉に並行する鮮明な葉脈が見える。初夏5〜6月、4弁の大形の花を咲かせる。花弁には赤紫色の脈紋がくっきり目立つ。

地下には肥大した紡錘形の根が多数ありアルカロイド、ステモニン、ステモニジン、イソステモニジン他を含んでいる。かつてビャクブ(百部)は薬用に肺結核、百日咳の咳止め薬として用いられた。また回虫、ぎょう虫の駆除に駆虫薬として応用された。外用には農業用の殺虫剤やアタマシラミ、コロモシラミなどシラミ駆除の効果を発揮した。江戸時代は茎の乾燥させたものをヒモで肌着につけ、シラミよけとする習慣があった程、殺虫効果は古くから有名だった。

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・第15改正 日本薬局方解説書 (広川書店)
  ・最新生薬学 刈米達夫著  (広川書店)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・原色和漢薬図鑑 上 難波恒雄著(保育社) 
  ・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)

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