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スノードロップ (snowdrop)

商品写真
上・下:京都府立植物園

スノードロップ (snowdrop) Galanthus nivalis (common snowdrop)
 単子葉植物 Monocots
  キジカク目 Asparagales
   ヒガンバナ科Amaryllidaceae マツユキソウ属Galanthus

 和名:マツユキソウ(待雪草) ユキノハナ(雪の花) 
 別名:ガランサス


近縁種 マツユキソウGalanthus woronowihaは アルツハイマー型認知症治療薬の起源植物

利用   :観賞用
名前の由来:雪の残る早春、下向きに咲く白い花を雪の雫にたとえた名

スノードロップは、ヒガンバナ科マツユキソウ属(ガランサス属とも)の総称で、かず多くの近縁種がある。元々はヨーロッパ南部及びコーカサス地方が原産の耐寒性の早咲き球根植物。その中で本種は日本でマツユキソウ属Galanthusの代表的な種として知られている。

近縁種にはGalanthus woronowihaがあり、この球根から単離されたアルカロイドのガランタミンはアルツハイマー型認知症治療薬として脚光を浴びている。

スノードロップ (snowdrop)には様々な伝承がある。その中の1例の伝説では、アダムとイブがエデンの園を追放されたとき丁度、地上では雪か降っていた。天使が現れ、アダムとイブを慰めて、春の訪れが近いことを語り、雪に触れたところスノードロップの花にかわったという話。文字通り雪の残る早春に白い特徴のある花を咲かせる。開花に先立って出る2〜3枚の葉は長さ15〜25cmの線形。花茎の先端に1個の花を下向きに咲かせる。3枚の1.5〜2.5cm程の外花被片、その半分の長さの3枚の内花被片からなる。内花被片の先端は深くくぼみ緑斑がある。スノードロップにはいくつかの近縁種があるが内花被にある緑色の斑点の形で区別する。スノードロップは日が当たる時は開き、夜間は閉じて中の内花被は見えない。雪の残るまだ寒い時期に咲く花の防衛手段と思われる。

ガランタミン製剤 アルツハイマー型認知症治療薬


ガランタミンは近縁種マツユキソウGalanthus woronowihaの球根から単離されたアルカロイド。
神経伝達に重要なアセチルコリンを分解する酵素(アセチルコリンエステラーゼ)を阻害することで、アルツハイマー型認知症で低下している脳内アセチルコリン濃度を上昇させる。その結果、低下しているコリン機能を賦活化させ認知症症状の進行を抑制する。2011年「軽度から中等度のアルツハイマー型認知症治療薬」として、製薬会社から発売され、医療の場に供されている。


参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・製薬会社インタビューフォーム

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