ニンニク（忍辱、蒜、大蒜、葫）

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Photo：大阪市立長居植物園

ニンニク（忍辱、蒜、大蒜、葫）Allium sativumLinne
　単子葉植物　Monocots
　　キジカク目 Asparagales
　　　ヒガンバナ科Amaryllidaceae（←ユリ科Liliaceae）ネギ属Galanthus

　英名：ガーリックgarlic

生薬名　　：タイサン（大蒜）
利用部分　：鱗茎（葉が半分枯れた頃が収穫時、堀り上げ日陰で吊るし乾燥）
利用　　　：食用、医薬品起源野菜
名前の由来：独特のくさい匂いを耐え忍んで食べることからの名。
　　　　　　Alliumはニンニクの古いラテン名語源はalere halium　匂いから

地中海沿岸から西アジア原産といわれるが定かではない。栽培の歴史は古く古代エジプトではピラミットの建設に携わる労働者の主要な食材として利用された。古代ギリシャ、ローマ時代にもタマネギとともに古くから栽培され、中国へは漢の時代、西域から伝わり、コサン（胡蒜）と呼ばれていた。日本にも「記紀」などにも記載があるように古い時代にすでに伝来していた。延喜式では栽培方法が記されているほど、古くから香辛料として滋養強壮として用いられてきたが、本格的に食用としての需要は第二次世界大戦後の私たちの肉料理への食生活の変化から。

ニンニクには多数の栽培種があるが主に①ガーリックと呼ばれるセイヨウニンニク、②その変種で主に中国で栽培されるオオニンニク、③日本で栽培するヒメニンニクノ３タイプに分けられる。３タイブとも含まれる成分は大差ない。鱗茎が最も大きいのは②のオオニンニク。タイサン（大蒜）と呼ばれ古くはコ（葫）、コサン（葫蒜）と称された。

食用にするのは主に地中の鱗茎だが若い葉は葉ニンニク、若い花茎は茎ニンニク（ニンニクの芽）として利用される。葉が黄色く枯れだす５月下旬から７月中旬が収穫時。

鱗茎には、もともとは無臭結晶性のアリインが含まれる。調理などで細胞が破解されるとアリインに酵素アリナーゼが働きアリシンに変化させ強烈な刺激臭を発する。

発汗、利尿、去痰、疲労回復、強壮作用がある健康食品として薬用にも応用される。殺菌作用があり細菌感染の予防、胃液の分泌促進作用もあり健胃、整腸にもなる。また血圧降下、コレステロール低下により高血圧を防ぎ代謝を改善するなど、数多くの効果が期待できる優れもの食品。特にビタミンＢ１を多く含む食材例　豚肉)とあわせるとビタミンＢ１がアリシンと結合しアリチアミンに変わりＢ１の吸収や効果を高めてくれる。ビタミンＢ1が期待できる優れもの食品。特にビタミンＢ１を多く含む食材例　豚肉)とあわせるとビタミンＢ１がアリシンと結合しアリチアミンに変わりＢ１の吸収や効果を高めてくれる。ビタミンＢ１はエネルギー原トなると糖質ノ代謝を促しスタミナを増強させる。アリチアミンを更に改良しフルスルチアミンとして製剤化したものがアリナミンで私たちの保健医療に大きく貢献している。

成分　
　・精油：アリシン、ジアリルジスルフィド、ジアリルトリスルフィルド
　・チオ配糖体：スコルジンＡ１　
　・アミノ酸：アリイン

参考文献
　　・朝日百科　世界の植物　（朝日新聞社）
　　・最新生薬学　刈米達夫著　　（広川書店）
　　・食材図典　　（小学館）
　　・食材事典　原田孝子監修　（学研）
　　・ハーブ　　亀田龍吉著　（山と渓谷社）
　　・ハーブ大全　リチャード・メルビー著　難波恒雄日本語版監修　(小学館）
　　・日本薬草全書　　水野瑞夫監修　田中俊弘編集（新日本法規）
　　・植物分類表　大場秀章　編著　（アボック社）

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