アマナ（甘菜）

商品写真
Photo：京都薬科大学附属薬用植物園 アマナの花

アマナ（甘菜）Amana edulis (Miq) Honda
　単子葉植物　Monocots
　　ユリ目 Liliales
　　　ユリ科 Liliaceae　アマナ属 Amana（←チューリップ属 Tulipa）

生薬名　　：コウジコ（光慈姑）サンシコ（山慈姑）
利用部分　：�［攘圈閉滅�）、花　�⇔攘圈焚峪�）
利用　　　：�／�用　�¬�用　薬用酒
名前の由来：食べると甘い味がするので。学名は「アマナ・エズリス」と日本名が使われる。
　　　　　　エズリスとは食用になるの意味。古くから食用にされてきたことを示している。

本州（東北南部以南）四国、九州の日当たりの良い山地、草地、原野に自生する多年草。従来、チューリップ属Tulipaに入っていたが、葉は狭く線形、花茎に２枚の苞がある等から別属アマナ属Amanaとされた。ヒロハノアマナとともに１属２種のみで東アジアが特産。学名に日本名がつく。

早春、花茎の先きに６弁の花を咲かせる。白地の花に暗紫色の細い縦すじがあり、日光を受けると開く。花茎は直立し上部（花のやや下部）に２枚の苞がつく。
葉は細く２枚、花茎の下に付くので地中に埋まり、根出葉に見える。柔らかく、直立は難しく地面に倒れやすい。地下に約２ｃｍ大の楕円形の鱗茎があり、生で食べられる。甘くおいしいのでアマナ（甘菜）の名がつく。

野菜の栽培が今日ほどなかった昔の時代、野菜の一部は野山から採る山菜に頼っていた。野山には食べてもまずいもの、又毒になるものも少なくないので、食べられる美味しいものに菜をつけた。アマナをはじめヨメナ、ナズナ、ゴマナ、ツルナ、コウゾリナなどがその例として挙げられる。

アマナの鱗茎をサンシコ（山慈姑）コウジコ（光慈姑）といい良質のデンプンが多く含まれる。乾燥させて用いると、よく熱を放散させ、結を消すとされる。解毒、消腫薬、滋養強壮にもなる。咽喉の痛み、瘰癧などに効果がある。
乾燥鱗茎をグラニュ糖とともにホワイトリカーにつけると健康酒、アマナ酒（光慈姑酒）が出来、滋養強壮に用いられる。

参考文献
　　・朝日百科　世界の植物　（朝日新聞社）
　　・薬用植物学各論　木村康一・木島正夫共著　（広川書店）
　　・野草の名前　春　高橋勝雄　解説（山と渓谷社）
　　・原色和漢薬図鑑　上　難波恒雄著(保育社)　
　　・おいしい山菜　ハンドブック　おくやまひさし著　文一総合出版
　　・山野草　ハンドブック　伊沢一男著（主婦の友社）
　　・植物分類表　大場秀章　編著　（アボック社）

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