タケ/マダケ(真竹)Phyllostachys reticulata(Rupr) K.Koch
=Phyllostachys bambusoide Sieb et Zucc
単子葉植物 Monocots >ツユクサ群Commelinids
イネ目Poales
イネ科 Poaceae マダケ属 Phyllostachys
エジソンの白熱電球、フイラメント素材としても利用
利用部分 :①竹材(稈の部分)②タケノコ
利用 :①工芸品(籠、ざる、花器、茶道具など)、尺八 ②食用
名前の由来:“真の竹”の意味。使用用途の広い普遍的なタケであることからの名。
原産地は中国であるとも、古い時代から日本で生育していたため、もともと日本に自生していたとの説もあり定かではない。
日本では最も広く栽培され、北海道を除く全国で栽培される。
マダケのタケノコは、モウソウチクのタケノコが終わって後に6月頃店頭で見かける。
モウソウチクの方は地面に現れる以前に掘り取るが、マダケは地上に伸び出てきたものを採る。
掘り取る必要はない。タケノコ特有のエグ味は少なく、そのままでも食べられる。栄養価はモウソウチクのタケノコと変わらない。
マダケはモウソウチクほど大きくならないし、稈も太くならない。最大直径10cmほど。タケノコを採取すると言うよりは竹材の利用が主になる。節と節の間隔が長く、稈の繊維は丈夫で弾力性があり、曲げやすいことから弓、定規、笊、籠、扇子、茶道具などの細工物・工芸品にはマダケが最適の素材になる。また暗紫褐色の斑紋のあるマダケの稈鞘(タケノカワ)は無毛(モウソウチクのカワには柔かい毛がある)で柔軟性に富む等の性質から食品包装として、かっては繁用された。
繊維が太く丈夫なこうした特長もあったのかエジソンの白熱電球、フイラメント素材として利用されることになる。
エジソンは白熱電灯フィラメントの素材を捜し求めていた所、手元にあった団扇の骨につかわれていたタケに注目し、これを用いたところ予想以上の好成績が得られたという。
竹材を求め、世界各地のタケを探索したところ、日本の八幡の竹がもっとも長く明かりを灯し続け成績が良いことが分かり、以降、男山八幡付近のマダケが電球のフィラメント用に1894年までエジソン電灯会社に輸出された。現在その由来を記念する碑が男山山中 岩清水八幡宮の境内に建てられている。
Photo:八幡市 岩清水八幡宮 エジソン記念碑
碑文にはエジソンの言葉と肖像が刻まれ、記念碑の周りには竹林が広がっている
エジソン記念碑 碑文
Genius is one per cent inspiration
and ninety-nine per cent perspiration
Thomas・Alva・Edison
ー岩清水八幡宮ー
京都、大阪の境、京都府八幡市にある男山山上に鎮座する。
宇佐神宮、筥崎宮(または鶴岡八幡宮)と共に3大八幡宮の1つ。創建は平安時代、格式ある社殿は2016年に国宝の指定を受けている。
近くには桂川、宇治川、木津川の3河川が合流し、淀川となる合流地点がある。宇治川、木津川の合流部には2つの異なる河川の流れを安全、且つ滑らかに合流させるよう背割堤が設けられ、サクラか植栽されている。花の頃は桜の名所になっている。
参考文献
・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
・美味しい山菜 おくやまひさし著 (文一総合出版)
・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)
・日本の樹木 (山と渓谷社)
・花と樹の事典 木村二郎(柏書房)
・食材事典 廣田孝子監修 (学研)
・食材図典(小学館)
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