トガクシショウマ（戸隠升麻）

商品写真
上･下：六甲高山植物園　　
　　　　茎の基部の根出葉はない。茎の上部に対生する

トガクシショウマ（戸隠升麻）Ranzania japonica　T.Ito
　　真正双子葉植物Eudicots＞基部真正双子葉植物Basal Eudicots
　　　キンポウゲ目Ranunculales
　　　　　メギ科Berberidaceae　トガクシソウ属Ranzania
　　
　　別名：トガクシソウ（戸隠草）
　　ショウマ(升麻)の名がつく山野草


利用　　　：観賞用(珍しい山野草として）
名前の由来：１８８４年(明治１７年)長野県戸隠山で発見された。葉のつき方がショウマ類に
　　　　　　似るための名。
　　　　　　属名　Ranzania　ランザニアは江戸時代の本草学者小野蘭山にちなんだ(最も蘭山と
　　　　　　トガクシソウとの直接の関係はない。）発見者伊藤篤太郎氏がつけた名。
　　　　　　日本人が初めて日本の植物につけた学名として有名。

青森県から長野県北部にかけての日本海側、雪の多いブナ林域が自生地。自生地の適地は深山の東向きの清流に沿った朝日の差し込む急斜面と限定される。日本の固有種で１属１種のみで近縁の仲間はない。多年草で地下茎は横に這う。
草丈は３０〜５０ｃｍ。５月半ば茎頂に葉のつく枝が向かい合ってつき、その間から長さ４〜８ｃｍ程の花茎を伸ばし、淡い紫紅色の花3〜5個をうつむき加減に咲かせる。花弁に見えるのは６枚の“がく片“。実際の花弁はガクの内側に見える白い６枚が花弁。それぞれの花弁の先端は２つに深く切れ込み筒状に並んでいる。雄しべは６本。雌しべは１本。
葉は浅く３裂した円心形の小葉が３枚ずつ附く３出複葉。掌状の葉脈が目立つ。葉が充分開かないうちに花が咲き出す。３出複葉の葉がショウマに似るのでショウマの名がつくが薬用にはされない。しかしショウマの名がつき、希少種でもあり、日本人がはじめて学名をつけた記念すべき植物でもあるので取り上げた。

参考文献
　　・朝日百科　世界の植物　（朝日新聞社）
　　・日本の野生植物　草本�供　癖針渕辧�
　　・野草の名前　夏　高橋勝雄著（山と渓谷社）
　　・植物分類表　大場秀章　編著　（アボック社）

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