タンポポ/シロバナタンポポ(白花蒲公英)

商品写真
上:岡山県真庭市落合
下:京都府立植物園 総苞片は反り返らず、頭花に密着する。

タンポポ/シロバナタンポポ(白花蒲公英)Taraxacum albidum Dahlst
真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>キク類Asterids
  キク目Asterales
     キク科Asteraceae タンポポ属 Taraxacum

   白い花のタンポポ

生薬名  :ホコウエイ(蒲公英)
利用部位 :根 全草
利用   ;漢方処方用薬、民間薬、食用、入浴剤
名前の由来:白い花の咲くタンポポの意味
 
日本は世界的にみてタンポポの種類が豊富な国とされている。平地から高山にいたるまで20種ほどのタンポポが自生する。
タンポポは普通黄色い花だと思うが、白いタンポポもある。
西日本を中心に四国、九州に分布。日当たりの良い里山の道端や山道に自生する。
白花のタンポポは、世界的には5種類のタンポポが知られている。そのうち3種類が日本に自生する。
日本以外で生える白花のタンポポは朝鮮半島のケイリンタンポポとヒマラヤの高山に生える白花のタンポポがあるだけで、世界的にみて白いタンポポは珍しい存在だそうだ。黄色のタンポポが主の中で珍しいとは思っていたが、よく目にするので、そんなに深くは思っていなかったが、じつは貴重な存在なのだ。

シロバナタンポポの舌状花の花弁は白だが、雄しべ、雌しべは黄色、花粉も黄色。外側の舌状花から開花するので、まだ、開花しきらない中心部は雄しべ、雌しべが密に集まり黄色く見える。
カントウタンポポなどと比較すると、葉も草丈も大きく成長しおおらかな感じがする。
本来は西日本が中心に分布するが、近年は東北地方南部でも白花タンポポが見られるとの事で、自然なのか、人為的に植えられたものなのかは確定しないが分布域が広がっている。
白い花のタンポポはシロバナタンポポの他に中国地方、四国にキビシロタンポポ、東北地方にオクウスギタンポポの2種。いずれもシロバナタンポポのように花弁は真っ白でなく、うすく黄色がかっているのが特徴。
本シロバナタンポポも岡山県真庭市落合で写したもの。
含有成分、薬用、食用としての利用の仕方は他のタンポポの仲間と変わりはない。
(成分、効果などは、カントウタンポポに記述)

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)  
  ・山渓名前図鑑 野草の名前 春 高橋勝雄著 (山と渓谷社)
  ・わたしのタンポポ研究 保谷彰彦著(さえら書房)

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