ハルトラノオ(春虎の尾)　

商品写真
Photo：京都府立植物園

ハルトラノオ(春虎の尾)　Bistorta tenuicaulis Nakai
　　真正双子葉植物 Eudicots＞中核真正双子葉植物 Core Eudicots
　　　ナデシコ目 Caryophyllales
　　　　　タデ科 Polygonaceae イブキトラノオ属 Bistorta（←タデ属 Polygonum）

　別名：イロハソウ

生薬名　　：ケンサン（拳参）シサン（紫参）
利用部位　：根（秋に採取）
利用　　　：民間薬　
名前の由来：花穂を虎の尾に見立てたのと、早春に咲くことからの名。

分布と自生地
　　本邦の本州、四国、九州の山地の木陰、森の緑陰に自生する多年草。
特徴
草丈１５〜２５ｃｍ程。有柄の根生葉は長い卵形で先端が尖り、その基部は葉柄に沿っている。
茎は根生葉と別に出る。早春、長さ２〜３ｃｍ程の白い花穂をつける。その花穂をやや短めだが　虎の尾に見立てたもの。
　花弁はなく、花に見えるのは５裂に切れ込みのある白いガク片。雄しべは８本でがく片より長く突き出る。先端に赤色の葯　をつけているのでよく目立つ。

ハルトラノオの特異な習性に本格的な春になる前、1か月2月頃、様子を伺うようにチョット花を咲かせ、気候条件を観察し　ている。紀行条件がよければ本格的に葉を広げ花も大きく咲かせる。このちょっと咲く先駆けの習性を“いろは４７文字”　の最初にみたてイロハソウの名がつく。

　根茎は太く、長くふくれた節がある。薬用にはこの根茎を用いる。
　イブキトラノオ同様、タンニンを含有し収斂剤として、　止血、止瀉に用いる。

参考文献
　　・薬用植物学各論　木村康一・木島正夫共著　（広川書店）
　　・野草の名前　春　高橋勝雄　（山と渓谷社）
　　・植物分類表　大場秀章　編著　（アボック社）
　　・日本の野生植物　�供癖針渕辧�
　　・山の花　構成・著　久保田修（学研）

（コメント）
従来、日本で長く親しまれてきた植物の分類体系は、近年遺伝子DNAに基づく新分類体系､APG�景�類が用いられるようなってきている。その結果、従来　タデ科　タデ属とされていたイブキトラノオや、ハルトラノオはイブキトラノオ属が創設され移動した。

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