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ヒルガオ(昼顔)

商品写真
Photo:大坂市立大学附属植物園

ヒルガオ(昼顔)Calystegio japonica Choisy
真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>キク類 Asterids>シソ群Lamiids
   ナス目 Solanales
     ヒルガオ 科Convolvulaceae ヒルガオ属 Calystegio

生薬名
  :センカ(旋花)
利用部分 :全草
利用   :薬用 食用
名前の由来:日中でも花を開いているので、アサガオに対してつけられた名。

原産地と分布
北海道から九州に至る各地の日当たりの良い路傍や野原に自生するつる性の多年草。
学名に Japonicaの名が付くように日本を始め朝鮮半島 中国にかけての暖帯に分布する。

特徴
同じヒルガオ科のアサガオは早朝4〜5時ごろ咲き始め、昼前には萎んでしまう。朝だけなので、アサガオの名前が付くが、ヒルガオはそれに対比し、朝10時頃咲き始め、夕方閉じる。昼間、厳しい暑さの中でもしっかり咲いているのでヒルガオ(昼顔)といわれる。ユウガオ(夕顔)の名もあるが、こちらは巻き寿司などの”かんぴょう”の原料になるウリ科でヒルガオ科ではない。ヨルガオ(夜顔)というのがあり別名シロバナユウガオとも言われ、夕方咲き、翌朝萎むなど、咲く時間帯により名前がつけられている。万葉集にも登場する“かおばな(容花、貌花)”は諸説あるが、今日ではヒルガオを詠んだといわれている。

ヒルガオの花は普通淡いピンク色、稀に白も見られる。アサガオの花と同じロート状、5枚のガク片の外側に2枚の大きな卵形の苞がつき、ガク片を包んでいるので、ガクのように見えるが実際は苞葉。葉は互生する。葉身10〜15cm程、3角形状で先端は丸い、基部は矢じりのように左右に張り出す。つる性の茎を伸ばし他の物に絡みつき繁茂する。
アサガオと異なり花からの種子はできない。地面を這う茎が新たな根茎となり、次世代につなげていく。

全草をセンカ(旋花)Calystegiae Herbと称し配糖体ケンフェロール サポニンを含み、乾燥した全草を利尿や強壮、糖尿病予防に用いる。生葉の絞り汁は虫刺されに。又若い茎葉はおひたしなどや和え物などにして食べる事も出来る。

万葉集中
  高円の野辺のかおばな 面影に 見えつつい妹はわすれかねつも (巻8 1630)

   
   “かおばな”は“美しい野の花"という意味でヒルガオを詠んだ歌

アサガオの花と葉
     アサガオ街路
ヒルガオ科Convolvulaceae アサガオ属Pharbitis(→サツマイモ属Ipomoeaに含まれる。)

熱帯アジアが原産。つる性の1年草。花の後、種子ができる。この黒い種をケンゴシ(牽牛子)といい薬用にする。ケンゴシ(牽牛子)は日本薬薬局方生薬でもある。

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・野草の名前 夏 高橋勝雄著(山と渓谷社)
  ・万葉の植物 松田修 (保育社)
  ・花と樹の事典 木村陽二郎監修 (柏書房)

科目別の一覧