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アメリカニンジン(アメリカ人参)

商品写真
上・下:武田薬品 京都薬用植物園 アメリカニンジンの花

アメリカニンジン(アメリカ人参)Panax quinquefolius Linne
真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>キク類Asterids
>キキョウ群Campanulids
   セリ目Apiales
     ウコギ科 Araliaceae トチバニンジン属 Panax

生薬名  :カントンニンジン(広東人参)
利用部分 :根
利用   :民間薬、健康食品
名前の由来:産地がカナダ、北アメリカのニンジンであることからの名
      広東を経て中国に輸出されることから広東人参の名で呼ばれる

チョウセンニンジンの近縁のものの1つにアメリカニンジンがある。17世紀には中国のニンジンの効能のすばらしさがヨーロッパに紹介され、特に1714年フランス人宣教師 Pierre Jartouxが「韃靼(だったん)人参についての記録」という小論文を発表して以来ニンジンに対する関心が高まっていった。ニンジンに関するJartouxの論文を読んだケベック州に住むフランス人宣教師Joseph Fransois Lafiteauはカナダ東部の森林地帯によく似た植物が野生していることを知り、植物分類学のLinneのもと送った。LinneはこれにPanax quinquefolius Linneと命名した。

やや小ぶりながら根がニンジンに極めてよく似ていることからニンジンの代用品として用いられる。以来この植物はアメリカニンジンとして香港を通じ東南アジアに各地に輸出された。中国ではこれを輸入して洋参、あるいは広東を経て輸入したので広東人参と呼び、ニンジン同様の用途で用いてきた。


植物の形態は、チョウセンニンジンやトチバニンジンとよく似ていて、茎の周りに数枚の葉が輪生する。各葉はそれぞれ5枚の小葉からなる掌状複葉になっている。根茎はニンジンに比べ小ぶりで短い。近年野生品はまれで主にカナダ、北アメリカなどで栽培される。

成分
  ・サポニン配糖体約5%
   ジンセノシドRb1、Rb2、Rg1、Rg2、Re、Rc、Rd、Ra、Roなどサポニン組成は
   三七人参に似ている
  ・精油成分:パナキシノール、β−シトステロールなど

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・最新生薬学 刈米達夫著  (広川書店)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・生薬単 原島広至著 (株式会社エヌ・ティ・エス)
  ・原色和漢薬図鑑 上 難波恒雄著 (保育社) 

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