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サンシチニンジン(三七人参)

商品写真
上・下:武田薬品 京都薬用植物園  トチバニンジンに似た掌状複葉

サンシチニンジン(三七人参)Panax notoginseng (Burkill)F.H.Chen exC.Chow eW,G..Hung
真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>キク類Asterids
>キキョウ群Campanulids
   セリ目Apiales
     ウコギ科 Araliaceae トチバニンジン属 Panax

  別名:デンヒチニンジン(田七人参)、金不換、山漆(さんしつ)
  英名:スュードジンセンPseudoginseng


生薬名  :サンヒチ(三七)デンヒチ(田七)
利用部分 :根
利用   :民間薬、健康食品
名前の由来:茎が三つに分かれ、葉が七枚のためとか、また成長するまで3〜7年の歳月がかかる
      からなど諸説ある。
      別名田七人参は中国広西省、田陽、田東が主要産地であることからの名。
      金不換はお金に換えられない貴重な薬という意味からの呼び名。
      山漆(さんしつ)は、漆が物を粘着させるように金瘡、傷口を癒合させるという
      意味から。

ニンジンには、代用になるし植物がいくつかあり、同じトチバニンジン属 Panaxの中の1つに中国の西・中南部に野生、または栽培されているサンシチニンジン(三七人参)がある。
日本ではニンジンといえば、チョウセンニンジン(オタネニンジン)を指し、サンシチニンジン(三七人参)はあまり知られていないが、中国や東南アジアでは様々な処方にニンジン同様に用いられ高貴薬として扱われている。
16世紀末頃から中国南部地方では民間薬的に金瘡、打撲、挫傷などに対し、止血、消炎、鎮痛を目的に用いられてきた。

植物の外観はチョウセンニンジン(オタネニンジン)とよく似ていて茎の中ほどから3〜4枚の葉を輪生状に出す。
各葉はニンジンでは通常 5枚の小葉に分かれるが、サンシチニンジン(三七人参)はトチバニンジン(栃葉人参)に似てトチノキの葉のように5〜7枚の掌状羽葉に分かれる。花も果実も3種はよく似ている。


成分もチョウセンニンジン(オタネニンジ)とトチバニンジン(栃葉人参)に類似したサポニン配糖体3〜8%を含む。主成分はジンセノシド類。
薬効は古来から繁用されてきたように、強力な止血作用、創傷修復作用が認められる。また血管を拡張し脳梗塞、心筋梗塞などで生じた血栓を溶かす効果もあるなど多彩な働きが認められる。

成分
  ・サポニン配糖体3〜8%を含む。
   主成分はジンセノシドRb1、Rg1、Rg2  少量のRb2、Re、、Rd、Ra、
   微量のRoを含有する。
  ・精油成分:パナキシノール、β−シトステロールなど

葉の形態の類似 トチバニンジン
トチバニンジン
Photo:御殿場 秩父宮記念公園

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・生薬単 原島広至著 (株式会社エヌ・ティ・エス)
  ・原色和漢薬図鑑 上 難波恒雄著 (保育社) 
  ・漢方 生薬学 木村孟淳著 (不知火書房)



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