名前から探す ア行 カ行 サ行 タ行 ナ行 ハ行 マ行 ヤ行 ラ行 ワ行    
用途から探す 漢方薬 製薬基源植物 日本薬局方生薬 民間薬・薬用 ハーブ・サプリメント 香料・香辛料 食用と嗜好品 染色・繊維 油脂 鑑賞用・その他    

カミヤツデ(紙八手)

商品写真
上:京都府立植物園 中:カミヤツデの円錐花序 
下:カミヤツデとイロハモミジの葉の大きさ比較

カミヤツデ(紙八手)Tetrapanax papyriferum K.Koch
真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>キク類Asterids
>キキョウ群Campanulids
   セリ目Apiales
     ウコギ科Araliaceae カミヤツデ属Tetrapanax

  別名:ツウソウ(通草)、ツウダツボク(通脱木)

生薬名  :マルツウソウ(丸通草)ツウソウシ(通草紙)
利用部分 :茎の白い髄
利用   :工芸用の紙
名前の由来:ヤツデに似た大型の葉がヤツデに似るのと茎の中の髄から紙が作られることから

原産地
中国南部、台湾に分布する常緑灌木。

特徴
カミヤツデ属には本種カミヤツデがあるのみ。1属1種。地下茎からまっすぐな茎をのばし、葉はその先端に集まってつく。成長が早く2〜6mの高さになる。ヤツデの近縁種のため葉はヤツデと同じく掌状に深く裂ける。葉の先はさらに矢筈状に深裂する。但しヤツデに比べはるかに大きい葉は、薄くて光沢がなく、裏面に白い綿毛がある。
暖地では庭木として植栽される。

晩秋から初冬にかけて枝先に茶色い円錐花序を作る。開花すると花は黄色みを帯びた緑白の4弁の花を多数咲かせる。
この3〜4年生に経過した太い幹から白い髄を取り出す。これがマルツウソウ(丸通草)で、コルク、包装の詰め物、敷物のほか、かつては髻を作るのにつかわれた。この丸通草を圧搾しこれを紙のように薄く切るとツウソウシ(通草紙)になる。造花の材料や短冊や絵葉書などの工芸品に使われる。ヤツデのような薬用的効果はないが、雄大な独特の姿から取り上げた。

近縁種 ヤツデの花と葉

     ヤツデ花京府
     Photo:京都府立植物園

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・日本の樹木(山と渓谷社)


科目別の一覧