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クサイチゴ(草苺)

商品写真
Photo:徳島県 阿南市 津峰神社参道

クサイチゴ(草苺)Rubus hirsutus Thunb
  真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>バラ類Rosids>マメ群Fabids
    バラ目Rosales      
      バラ科Rosaccae キイチゴ属Rubus

利用部分 :果実
利用   :食用
名前の由来:キイチゴの仲間で実際は落葉低木だが、茎が上にのびず草のように横に這うことから
      草の名がつく。
      属名のRubusはラテン語の古い名、赤いruberから。赤い実がなることからに因む。
      種小名hirsutusは粗い毛があるの意味

本州、九州、四国各地の山麓や林床、草むら、路傍などの山野によく自生している。丈は低く20〜60cm程の高さで地面を這うようにして広がっていくので花の時期は見事な景色になる。葉は3枚か5枚の奇数羽状複葉でバラの葉を思わせる。4〜5月頃、雄しべ、雌しべが多数ある白色の大ぶりな5弁の花が1〜2個ずつ上向きに咲く。花は平開する。茎、葉、枝など全体に腺毛や軟毛が密生し、ところどころに棘がある。花後、球形の赤い実がなる。

私たちに馴染みのあるイチゴ、オランダイチゴの仲間は花弁とがくの間の花托(かたく)が大きく膨らみ水分を蓄え甘味酸味を含む。私たちはこの部分を食べている。イチゴの表面にゴマ粒のようなものがついているがこれが本来の実で中に種子が入っている。

一方キイチゴやクサイチゴ、フユイチゴナワシロイチゴなどのキイチゴ属は花托が発達せず、子房が水分や、甘み、酸味を蓄え袋状になる。こうした袋が多く集って1個のイチゴ状の実を形成する。1個の果実の1粒、1粒が小さな果実の集合体なのだ。
クサイチゴの近縁種にはバライチゴ、オオバライチゴ、ヒメバライチゴ、モミジイチゴなどがある。いずれも果実は赤く熟し甘酸っぱく食べれる。

―津峰(つのみねじんじゃ)―
徳島県阿南市 標高300mほどの津峰山に鎮座する。創建は奈良時代、聖武天皇の頃。
スカイラインで山を登り、駐車所からは参道の両側に多くの植物が生い茂る長い階段が神社まで続いている。リフトも運行されている。
このあたりは50万年程前はかつては海の底であったが、隆起により山になった。津峰山山腹、標高180mほどの地点には,当時の面影を伝える海蝕によって浸食された洞窟がいくつもある。
これらの洞窟は、断食参篭の修行が行なわれた行場であった。

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・野草の名前 春 高橋勝雄著(山と渓谷社)
  ・日本の樹木(山と渓谷社)
  ・花と樹の事典 木村陽二郎監修 (柏書房)
  ・植物分類表 大場秀章 編著 (アボッ

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