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アラビアゴムノキ

商品写真
Photo:日本新薬 山科植物資料館 

アラビアゴムノキ Acacia senegal Willdnow
真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>バラ類Rosids>マメ群Fabids
  マメ目Fabales
    マメ科FabaceaeLeguminosae) アカシア属 Acacia

 分泌物がアラビアゴムになる

生薬名  :アラビアゴム
利用部分 :茎、枝から得る分泌物
利用   :日本薬局方生薬
名前の由来:アフリカが原産だが、ヨーロッパでは輸入する際、アラビア諸国を経由したため。
      種小名のsenegalはセネガルで発見、採取されたのが最初の記載であったための名。

原産地はスーダン、セネガルなどの熱帯アフリカ、アラビアにかけて分布する。インドにも野生的に分布する常緑の小高木。樹高は約6m程。樹皮は灰色で平滑、葉の基部に鋭い刺が⒊本あるのが特徴、ちなみにアカシア属のAcaciaはギリシャ語akakiaアカキア― 、棘に由来する。実際アカシア属は幹にトゲがあるものが多い。葉は対生、2回偶数羽状複葉。小葉は16〜28枚で長楕円形。穂状花序を腋生し花を咲かせる。花は白っぽい淡い黄色。花後、扁平な豆果をつける。中には3〜6個の種子が入っている。

アラビアゴムの採取には幹、枝の組織中のゴム質が、自然にまたは昆虫、動物の刺傷部からにじみ出たもの。あるいは人工的に樹皮をはぎ、にじみ出し固まったものを集める。無色〜淡黄褐色の透明または多少乳濁した塊で砕けやすく、砕けた面はガラスのように光彩をはなつ。表面を水でぬらすと粘性が出てくる。古く紀元前から“のり”として用いられた。

主成分は多糖アラビン酸で乳化、懸濁剤にする。医薬品では錠剤や丸剤の結合剤に使われる。工業用での主な用途は糊用としての用途。その他、化粧品の乳化剤、水彩絵の具の結合剤としても用いられる。 

主な成分
多糖アラビン酸79〜81%でCa、Mg、K塩のアラビンとして存在する。加水分解酵素や酸化酵素も含んでいる。加水分解するとアラビノース、ガラクトース、グルクロン酸などを生じる。

アカシア属の代表、アカシア

 ギンヨウアカシア Acacia baileyana F.v.Muell
通称 ミモザ
通常アカシアの名で呼ばれる。葉が銀白色のため銀葉の名がつく。花序が大きく美しいので、庭園や街路樹に植えられ、春の生け花の花材に汎用される。
     アカシア花
Photo:京都 山科区の民家の庭で

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・第15改正 日本薬局方解説書 (広川書店)
  ・最新生薬学 刈米達夫著  (広川書店)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・生薬単 原島広至著 (株式会社エヌ・ティ・エス)


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