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ビート/カエンサイ(火焔菜)

商品写真
上:日本新薬 山科植物資料館 カエンサイの赤紫の茎
下:武田薬品 京都薬用植物園 紫赤色の根

ビート/カエンサイ(火焔菜)Beta vulgaris Linne var conditiva Alef 
  真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots
   ナデシコ目Caryophyllales
     ヒユ科Amaranthaceae フダンソウ属Beta(←アカザ科Chenopodiaceae

品種:デトロイト・ダークレット

利用部分 :根
利用   :食用
名前の由来:成熟した根を輪切りにすると、同心円状に紫紅色の輪が見られるため。

地中海沿岸地方原産の2年草。肥大した根から砂糖をとるSugar Beet Groupのテンサイ(甜菜)、Leaf Beet Groupの葉を食べるフダンソウ(不断草)と同種。Garden Beet Group(またはTable Beet Group)と呼ばれる根菜用のビート。

大和本草(1709年)にダイコンの1種“シャムダイコン”としての記載があるので、18世紀には日本に渡来していた。しかし野菜として普及に至らず、需要が高まったのは明治期になってから。
サラダ料理普及以来、次第に需要がたかまった。紡錘形、球形に肥大した根は白、黄、紫紅と多彩で輪切りにすると、同心円輪紋が出る。

本種は葉柄や葉の葉脈、葉の裏も赤みを帯びているデトロイト・ダークレットという品種で、輪切りにすると中は紫がかった赤色をしている。属名ビートBeta(ケルト語で“赤い”の意味)の由来になった赤い色。赤い色はベタシアニンという色素で、抗酸化作用がある。天然着色料ビートレッドの原料になる。同心円の輪紋は暑い時期程、鮮明に表れる。根にはデンプンはなく、糖分(ショ糖)を含むが、Sugar Beet Groupに比べはるかに含有量は低い。加熱する甘味が増してきて、パスタやリゾットなどの料理に、またロシア料理のボルシチには欠かせない食材になっている。
酢漬けにしても美味しい。サラダ料理にあしらうと華やかさが増してくるのでいろいろの料理に使える食材だ。

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物(朝日新聞社)
  ・食材図典(小学館)

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